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割とマジで、痩せようと思う。
「……やば。」
鏡の前でくるりと一回転して、お腹を撫でた。世間一般的には中肉中背というか、普通だと思う。でも、普通じゃダメな気がして。
そこそこ、美容には興味があるしメイクも洋服も好きだ。片想いの時だって、振り向いてもらうためにいろんな努力もした、でも、いざ彼氏として…。彼氏、と、して…。
「か、彼氏かぁ…。勝己くんが、わたしの、彼氏…。」
ベッドに座り、ぽふん、と上体を投げる。
自分で口にしておいて、ウワァァと枕越しにくぐもった声で叫び足をばたつかせてしまった。
「…私のあほ。」
我に返り、暴れた髪の毛を整えトレーニング動画を漁る。
勝己くんのクラスの女の子たちみたいに可愛くて細い最強ガールは厳しいかもしれないけど、せめて隣に並んでもおかしくないようにもっと可愛くなろうと思った。
髪から指先、肌、普段の服。自分が疲れて壊れない範囲で、少しずつパワーアップを諮る。
多分ひとりじゃ到底できないけど、毎朝迎えに来てくれて、トレーニングを見学したり一緒にランニングをしてみたりデートをしたり。
彼が隣にいてくれるという事実は想像以上に私を強くさせた。
最近可愛くなったねと友達に褒められるのもうれしいけれど、彼が私の変化に気づいて、不器用に伝えてくれる一言が驚くほどうれしかった。
だから、
「お前は見てるだけでいい」
「えぇ」
放課後、トレーニングルームで一緒に筋トレする気満々だった私はあからさまに不機嫌な顔をしてみせる。
苛立ちを前面に押し出したというのに、なぜだか少し満足げに微笑んだ勝己くんは私の頭を撫でた。
「最近、気ぃ張りすぎてんだろ。隣でストレッチでもしとけ」
「…了解ですコーチ」
「へーへー」
隣のマットでおとなしく柔軟を始める私に、ちゃんと飯食えよ。と告げてくる。
「食べてるよ」
「まだ食えんだろ、折れるぞ」
「えへ。じゃあちょっと増やす。」
「俺ァ別にお前ならどんな格好してようが隣にいてくれりゃイイんだよ」
それはずるくない？と見上げようとすると、もう彼はトレーニングマシーンに座り顔を見せてくれなかった。
こんな私でいいのかな、と答えを導き出せない私の手を引く勝己くんの声は、いつだって的確で、それでいて十分に甘かった。
甘くて蕩けちゃいそうなほどに優しくて、さりげなく不器用に愛してくれる彼が、そばにいていいよと私を許してくれる。
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Umi(プロフ) - なゆさん» わ〜！！楽しんで頂けてよかったです！こちらこそご覧下さりコメントまで頂戴しありがとうございます…！！ (2021年12月2日 21時) (
レス) id: 266bb1a809 (このIDを非表示/違反報告)
なゆ(プロフ) - 終始ときめきっぱなしでした...！！好きです！ありがとうございました！ (2021年11月30日 4時) (レス) @page33 id: 8a48c9aede (このIDを非表示/違反報告)
Umi(プロフ) - 羽凪_9さん» 長いお話をご覧頂き、また私の妄想にもありがとうございます…！！同士様…！！🥺大変嬉しいです！よろしければぜひ、よろしくお願い致します🥰 (2021年11月27日 20時) (レス) id: 266bb1a809 (このIDを非表示/違反報告)
羽凪_9(プロフ) - 最後まで読ませていただきました！主様、分かります…バクゴーはどちらかと言うとかっこいーって感じだけど見れば見るほど…カワイクネ?思ってくるんですよね…ホントもうスンゴイ、分かります！… 、お気に入り作者様に追加させて頂いてもよろしいでしょうか?! (2021年11月27日 17時) (レス) @page37 id: cebfff4930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2021年11月25日 15時
