【刀剣乱舞】 年寄り雪女は審神者になったようで…

肆話 ページ5

『加州清光。新撰組一番隊組長、沖田総司の愛刀。此処の初期刀……だったよね？』


私が役人に見せてもらった本に載っていた加州清光は
確かもっとカッコいい、否可愛い感じですごく女子力高そうな子だった

しかし目の前にいる加州清光は所々怪我をしている。
明らかに中傷、重傷のどちらかだ


加州「っ、だったら何？悪いけど俺たちに、もう審神者は要らない！人間は必要ない！」

こんのすけ「主さま！此処は一旦引きましょう！！」

コンちゃんはこう言っているが、私は見逃さなかった
加州が震えていることに、今にも泣きそうになっていることに



『……沖田総司は剣術にとても長けていて新撰組の撃剣師範も務めていた。そんでもって彼の稽古はとても厳しかった。』

加州「…お前にあの人のっ！」

『だけど暇があれば子供たちと遊んであげたり、冗談を言ってはみんなを笑わせ、自分自身も笑顔で』

加州「…っ…何が、わかるんだ……」

『そんな、強くて優しい人物だったと私は聞いてるよ』

加州「……っ…」

加州の目から大粒の涙が溢れ落ちる


『私なんかより、君の方が分かっているだろう？』



私は加州に近づき涙を拭う


『私の事をどう思うかは君次第だ。だけど、少なくともそんな優しい人間がいたという事は、自分を愛してくれた人間がいたという事は、忘れてはいけないよ、絶対に』


少し強めの風が吹く。

霊力を流し込んだおかげでほぼ満開の桜から
ひらりひらりと花が舞っていた

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