虎のところの愛され姫8【TJ】

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自分が覚えてる限りの
曲を全て弾いた。





京｢全然普通に上手いよ。｣


『覚えてくれてたらいいな。』


京｢これだけ上手かったら覚えてくれてるよ。｣


『Together now、ちょっと練習したけど、どう？』


京｢完璧。｣





後1週間半で日本を旅立つ。
だからこそ、私が今にぃにの為に出来ることは、
他の人の力を借りて目を覚ます事。





京｢俺もさ、1回Aのお兄さんに会いに行きたい。｣


『にぃにの病院はここから近いから、』


京｢じゃあ行こ。挨拶しておかないと。｣


『…ありがとう。』





車を走らせて10分弱。にぃにが居る病院へ着いた。
初めて如恵留を連れて来た時を思い出した。
あの時は、突然にぃにが手を握り返してくれたんだ。





その場で泣き崩れてしまったのを覚えてる。
でも、目を覚ますことは無かった。
エレベーターでいつも通り最上階へ。





『ここ。』


京｢化野…亮平？｣





にぃにの名前、Snow Manの亮平くんと同じ名前なの。
初めて亮平くんに会った時はお兄ちゃんだと
勝手に思ってた時もあったんだ。だから私は、
亮平くんの事が好きだったのかな…？でも、昔は
1人の男性として好意を向けてたから違うのかも。





『にぃに。今日は私の友達が来てくれたよ。』


京｢初めまして。京本 大我です。
これからAは渡米をして、暫くは日本に
帰って来れないので代わりに俺が毎日来ます。｣





大我の発言に、耳を疑った。
…私が来れない間は大我が見てくれるの？





京｢お互いが離れている間、何も知らないのは
良くないので、俺がお兄さんの事を、Aが
自分の事を伝えあいましょう。そうすれば
心配しなくても大丈夫ですから。｣


『大我…』


京｢心配しないで。絶対来るようにするから。
もし無理だったら阿部ちゃんに来てもらおう。｣


『ｯ…ありがとうｯ…！』





今日も、にぃには手を握り返すだけ。
試しに1曲だけ録音した曲を聞いてもらったけど、
特に変化はなかった。やっぱりダメなのかな…？
でも少しだけ、笑ったような気がした。





ねぇ、にぃに。
こんなに良い友達に恵まれて、私は幸せだよ。
これも死ぬ気で私を守ってくれたにぃにのおかげ。
だからにぃにも早く目を覚まして、幸せになってよ。
会えなくても、空を通して気持ちを伝えるから。
…今度はメンバーを連れてくるね。にぃに。

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