五月雨達が来る前 No side ページ42
五月雨達が話し合いをしていた同時刻、短刀達はAの部屋で泣いていて、それをそれぞれの保護者が慰めていた。
五「うぅ……Aさん…ｸﾞｽｯ」
乱「もう、会えないの…？そんなの、嫌だよぉ……」
今「ぼく、もっとおはなししたいんですよ……はやく、おきてくださいよ…」
岩「なぁに、心配せずとも、すぐに主が打開策を見つけてくれる！」
一「岩融殿の言う通り、きっと主殿が何とかしてくれる。」
鳴「……大丈夫。」
浦「まだAとやりたい事、沢山あるのに……」
蜂「心配しなくても、その内目を覚ます。
だから大丈夫だ。」
だが、短刀達は一向に泣き止まず、慰めていた者達は困り果てていた。
すると不意に、Aの側で泣いていた乱がパタリと倒れた。
薬「乱！？どうしたんだ！？」
秋「っあ、み、乱兄さんまで……」
その様子を見ていた短刀達は更に不安になって泣き出す。
突然の事に頭が追い付かない一期は、乱を起こそうと腕を伸ばした。
一「乱、どうしたんだい？
起きてるなら返事を……っ！？」
その手は、途中でピタリと止まった。
乱が、まるで悪夢を見ているかのような苦しげな顔をしていたからだ。
一期や薬研は顔を青くして乱を叩き起こす。
薬「おい乱っ！起きろ！」
一「目を覚ましてくれ！」
平「い、いち兄……乱兄さんの手のしたに何かが…」
そう言われた一期は、Aの腹辺りに乗っている乱の手を見た。
言われた通り、乱の手の下の何かが光っていた。
薬研がその手を退かすと、手があった位置にはどす黒い赤色の光があった。
乱「っ！！！……こ、此処は…？」
手が離れたと同時に、乱は目を覚ました。
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