よっかめ ページ4
そう言ってガラス細工を扱うような優しい手つきで私を引き寄せ、ふわりと抱きしめる。
「ちょ…」
「Aは俺の家にいてくれるだけで良いんです。」
「ザイアクカンだとか、外に出たい…とか、そんなもの考えないで、」
「ただ俺の帰りを待ってるだけで、そばにいるだけで良いんです」
耳元に口を寄せ、囁くような声で彼は言った。
そばにいるだけで良い、と言われても、私にだって心配してくれる同僚や家族ぐらいいる。
…居場所はなかったが。
「(私はただ、その人達に迷惑をかけたくないだけ)」
そう、そうだよ。迷惑をかけたくない。
「(私を大事にしてくれる人たちに、私ができることって…)」
「…ねえ、あなたのところにいれば…私の家族とか、同僚とかに手、出さない…？」
「……出すわけないじゃないですか」
「だって、俺はAの嫌がることなんてしたくありませんもん」
「ほんと…？」
「ええ。約束しましょう。」
「Aの大事なヒトには、手なんて出してません。これからも、出すつもりなんてないです」
その言葉を聞いて、安心したのか全身の力が一気に抜け、ショッピくんにもたれかかるような体制になる。
彼はだいじょーぶ、だいじょーぶと言いながら私の背中をさする。
「…まぁ、Aが俺の"お願い"聞いてくれたら…ですケド」
「"お願い"…？」
「ハイ。1つ目、"俺の家から、出ないこと"…これは最優先事項です。まぁ一回くらいの脱走なら許さんでもないですけど…2回目からは許しません。破ったら手始めにAの家族を
ヒュッと喉が鳴る。脱走したら、私の家族が彼の手によってバラされ、売られていく。そんなのは絶対に駄目だ、と本能も理性も警告していた。
「…2つ目。"俺が外に出る時は、日本語で行ってらっしゃい、俺が帰ってきたらおかえりと言うこと"…これは、マァ俺の願望に近いものなんで…破っても特に何もないです。でも俺の機嫌が悪くなってうっかり家の物とか壊しかねないんで、できるだけ毎日お願いします」
２つ目の"お願い"は、前に聞かされた物よりもずっと可愛らしいものだった。日本語で、日本人に言ってもらうのが夢だったそう。
「3つ目。"俺が家にいない時は、誰か来ても絶対にドアを開けないこと"…Aに何があるかわかんないので」
「…まあ大事なのはこんくらいです」
「ちゃんと、守ってくださいね？」
そう言って笑う彼に、ただ頷くことしかできなかった。
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ロト - utさんと恋バナっすか､､､､良いっすめちゃくちゃ良き！！！ 夢主ちゃんカワユス！ (12月8日 0時) (
レス) @page25 id: 41e3ad35b2 (このIDを非表示/違反報告)
ロと - いいっすねぇ！！！めちゃくちゃ好きです！！ (11月26日 15時) (レス) @page19 id: a5e85f110a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏恵 | 作成日時：2023年11月19日 21時
