検索窓
今日:4 hit、昨日:16 hit、合計:27,963 hit

ふつかめ ページ2

…て

 
薄ぼんやりとした意識と、未覚醒状態の脳に響く声。
 

 
「(…何、もう…ゆっくり寝させてよ)」
 
 
 
…きて

朝の木漏れ日が目を刺す。


「ゔ〜……」


起来啊(起きてください)!」
「わ、あ!!」
「っく…へんな声…早上好(おはようございます)、A。…よく眠れましたか?」
 
 
くすくすと手を口に添えて心底楽しそうに笑っているしらないひと。
朝の、頭に栄養が回っていないぼんやりした意識で必死に頭を回して状況を飲み込もうとする。

 
 
「あ、オハヨウゴザイマス…だっけ…ん???」
「私、まだ中国…」
(あれ)、昨日説明しませんでしたっけ?」
「や、された…された、けど…私、あなたの名前知らなかったし…頭も痛くて…現実味がなかったと言うか…」
我懂了(なるほど)

 
 
一体どこから説明したらいいんだと頭を悩ませるあのひとを横目に、おとといの記憶を何とか呼び起こそうとする。

 
 
 
「…あ、確か私、酔ってて…それで…あなたにぶつかって…??」
「ン、合ってます」
「ぶつかって…ぶつか……????????」
「あ、そっからもう覚えてないんデスカ」
 
 
 
 
いや本当に思い出せない。酔った勢いで誰かにぶつかって何かを話した…気が…するだけ。あのひとが私の名前を知ってたから多分自己紹介…はしたんだろうけど、馬鹿だな私。

 
「(いくら酔ってるからって初対面の中国人に名前教えるか!??!)」
 
 
 
「んー…んじゃあ名前、俺の名前覚えてないみたいなんでジコショーカイします。」
「俺は紫釉(シユ)、です。言いづらいと思うんでショッピでいい…デス」
「ショッピ…さん」
「ショッピくんって呼んでください」

 
 
 
即座に訂正を入れ、君付けをねだられる。きっと年上であろう彼への君付けは、胸の辺りがぐるぐるするといえか、ふわふわするというかなんというか…良くわからない羞恥に襲われた。
 

 
 
「…じゃあ、セツメイします」
「……はい」
 
 
 
彼________ショッピ…くんから聞いたのは、ぶつかった先であまりにも酔っている私を公園で世話をし、その途中でぺらぺらと私が名前と働いている職場の上司の愚痴、それから私の居場所がないし、私は誰の居場所でもない、という話をされた…らしい。

みっかめ→←いちにちめ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (103 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
361人がお気に入り
設定タグ:wrwrd , syp
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ロト - utさんと恋バナっすか、、、、良いっすめちゃくちゃ良き!!! 夢主ちゃんカワユス! (12月8日 0時) (レス) @page25 id: 41e3ad35b2 (このIDを非表示/違反報告)
ロと - いいっすねぇ!!!めちゃくちゃ好きです!! (11月26日 15時) (レス) @page19 id: a5e85f110a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夏恵 | 作成日時:2023年11月19日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。