虎のところの愛され姫10【TJ】

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ver.宮近





今日は音楽番組の収録。
俺らTravis Japanの隣の楽屋の方に挨拶をしに行く。





ｺﾝｺﾝｺﾝ





『はーい？』


宮｢失礼します。｣


『あ、えっと、』


川｢Travis Japanと言います。
化野Aさん、今日はよろしくお願いします！｣


『Travis Japanさん…！
こちらこそよろしくお願いします！』





今日はAさんの歌と俺らのダンスでの
コラボが初めて実現される収録になっている。
こんな夢みたいな本当の話、他にないと思う。





俺が誰にも内緒でAと付き合ってるのも。
一瞬でも気を抜けば絶対にバレてしまう。





吉｢リハなんですけど、一緒に行きませんか？｣


『是非！初めてなので何も分からなくて、』


七｢え〜！沢山出てそうなイメージありました！｣


『私なんてまだまだですよ。』





閑也としめがAの隣に並んで話している。
本人は無意識なんだろうけど、俺はめっちゃ妬いてる。





川｢にしてもほーんとに可愛いね。｣


倉｢ガチそれ。あんな可愛い子とコラボ出来るなんて。｣


元｢夢みたいだわ！なんなら俺ファンだし！｣


川｢俺もAちゃん大好き。｣


倉｢俺も！こんな近くで見られると思ってなかった。｣





あそこの3人はYouTubeの撮影でも
このシーンのAが可愛いやらなんやら言ってる。
聞いてるこっちの身にもなって欲しいっていつも思う。





中｢百面相してるよ。｣


宮｢うわっ、海人｣


中｢うわって酷くね？Aちゃんのこと？｣


宮｢…可愛いなあって思って。｣


中｢嘘つけ。絶対そんなんじゃない。｣





やばい。マジでバレてしまう。
運がいい事に、俺の周りには海人しかいない。
…言った方が楽になる？Aに迷惑掛けないかな？





宮｢…海人のこと信頼してるから言うけど、｣


中｢付き合ってるんでしょ？知ってる。｣


宮｢えっ、俺もAも誰にも言ってないと思うけど、｣


中｢何年海斗の隣に居ると思ってんだよ。分かるわ。｣


宮｢…内緒だよ。｣


中｢任せとけ。｣





海人はご機嫌な様子でリハ場まで走っていった。
するとAが入れ違いでやって来た。





『海斗、バレてたじゃん。』


宮｢聞いてた？｣


『ちゃんとね。』


宮｢面白いじゃん？どこまでバレないか楽しみ。｣





物陰に隠れて唇を奪う。





『外だよ？』


宮｢だから面白いんじゃん。｣





俺とAはもう一度唇を重ねた。

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