虎のところの愛され姫10【TJ】

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ver.松田





『げんた、』


元｢ん、なにぃ？｣


『当てられてるよ。』


元｢うそ！？俺！？｣





今は英語の授業中。
俺は気がついたら寝てしまっていたみたい。
そこで隣の席で幼なじみのAに起こしてもらった。





｢松田ぁ、お前寝てたんじゃねぇだろうな？｣


元｢寝てないです！｣


｢じゃあこの問題解いてみろ。｣





俺が分からない時はいつもAが助けてくれる。





『これ読んで、』


元｢えっと、I am drawn to your kindness and want to marry you.｣


｢おお、やれば出来るじゃねえか。｣





隣に座る彼女を見ると笑顔でピースをしていた。
マジでいつも助けて貰ってんな、





『まさかほんとにそのまま読むとはね。』


元｢なんか言っちゃいけねぇことだった？｣


『ううん、その逆。』


元｢？｣





とりあえずAのメモをこっそりポケットに閉まった。





『え、次体育だっけ？』


七｢何か忘れたの？｣


『長袖忘れてきた。』


吉｢今日ガチで寒いと思うけど。｣


『どうしよ、まち貸してくれない？』


倉｢俺も持ってきてないや。｣






これは俺行けるヤツじゃね？
と思ってカバンを探しても見つからなかった。





元｢(俺も忘れてる！！！)｣


宮｢Aちゃん俺持ってるよ。貸そうか？｣


『え！ほんと！貸して欲しい！』


宮｢いいよ〜、代わりにデートしてね？｣


『そんなのいくらでもするのに。』





あのAの危機感の無さにいつも頭が痛くなる。
するとそんな俺の頭の中に聞きたくない言葉が入ってきた。





中｢海斗とA夫婦みたい。｣


『へ？』


中｢お互いに宮近ってジャージ着てるし。｣


宮｢Aちゃんがお嫁さんなら毎日幸せだろうな〜。｣


『ちょっと辞めてよw』





あの2人の雰囲気に耐えられなくて逃げてきた。
そんな俺の元へやってきたAの親友。





川｢あーいうの気になっちゃう？｣


元｢如恵留、｣


川｢心配しなくてもそのうち答えがわかるよ。｣


元｢なぁ、この英語の意味、分かる？｣


川｢ふふっ、それね。｣





如恵留は俺の耳元でこう言った。





川｢あなたの優しさに惹かれ、結婚したいと思ってます。｣


元｢…はっ？｣


『あーあ、如恵留に言われちゃった。』





如恵留が体育館へ行くとAと2人きりに。





『こんな私だけど隣に居ていい？』


元｢…当たり前だろ。｣





その時2人の影が重なった。

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