小瀧 【10:10】 ページ14
神｢のんちゃんってほんまに女の子に優しいよなぁ。
昔からそうなん？｣
小｢んー、｣
、、神ちゃんに言われて昔のことを思い出した。
____________________
生徒A｢先生ー！！のぞむ君がまたAちゃんいじめてんで！｣
先生｢小瀧くん！だめでしょ！Aちゃんにちゃんと謝りなさい！｣
小学生の時、好きだった女の子に、俺は優しくできなかった。
好きな子ほどいじめたくなるっていうお年頃。
ちょっとからかえばすぐに泣く、そんな女の子を好きやった。
でも、いつもいじめればすぐ泣いていたのに、泣かへんかった日が1日だけあった。
女の子が大事そうに持っていたシャーペンを、困らせてやろうと思い、俺はこっそり自分の筆箱にしまった。
(また泣くんやろう)
(後でこっそり返せばええか)
なんて考えていた。
昼休みが終わるとクラスでは大騒ぎ。
Aちゃんのシャーペンがないと。
生徒B｢誰よ！あれAちゃんの亡くなったお母さんがくれたものなんよ！｣
(え、、？)
生徒C｢どうせ望くんでしょ！
早く返してよ！｣
俺はいつもと違う雰囲気に圧倒されて思わず
｢ちゃうもん！俺やない！！｣
なんて嘘をついてしまった。
｢2人とも。大丈夫だから
無くしちゃった私が悪いんだから、ね？
望くん取ってないって言ってるし｣
女の子はそう言ってへらへら笑った。
(なんで泣かへんのや、、)
そんなこともあったせいで、俺はずっとシャーペンを返せないままでいた。
そして一学期の終わり、終業式の日にその女の子が転校することを知った。
長い校長先生の話の中、
担任の先生が女の子に ｢お父さんお迎え来たよ｣ とこっそり耳打ちしている。
(、、、まだシャーペン返してへんのに、、。
謝ってへんし、好きやったなんて言うてへん、、、。)
そうは思っても式の中、追いかける度胸は幼かった俺にはなく、
離れていく背中をただ見ているだけやった。
生徒D｢先生。望くんが泣いてるよ｣
先生｢どうしたの？！小瀧くん！｣
初めて泣いた10:10頃のお話。
____________________
小｢昔からこんなんやったでー？｣
神｢絶対嘘やろ笑
なんか考え込んでいたやん笑｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らんど | 作成日時：2018年4月22日 23時
