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白雪姫誘拐犯 ページ38

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「アイツの優先順位、俺よりお前なんだよ。赤葦」







木兎さんのその言葉に、俺は林檎を手に持つAさんから目を逸らさずに、








「もらって、いいですか」







と、隣の木兎さんに言った。








「泣かせたら、許さねえよ」







いつかの言葉とは比べ物にならない圧力のあるその声に、俺は短く返事をした。









『おや?これは美しいお嬢さんだこと』








眠った白雪姫に、王子様が近づく。








「…」







また、頬を赤く染めているのだろうか。








『眠っているのかい?』








キスをするフリって、どこまで…?








『そんな、まさか』







頬を赤く染めるのは、俺だけの前にしてほしい。








『嘘でしょう』








貴方の頬を赤く染めるのは、俺だけでいい。




俺は一体─────








「おい!赤葦!」








木兎さんが俺を呼ぶ声は、すぐ後ろ。




客席がざわつく。




俺は気づいたら、ステージの上で横たわる彼女の腕を掴んでいて。




無意識だった。体が勝手に動いていた。








「あ、赤葦!?」








やっぱり。




頬を赤く染めた白雪姫が、見たことのないような表情をして俺を見ている。




王子様役の人が、『な、なんだ貴方は!』と腰に差していた剣の切っ先を俺に向ける。




周りにいた小人たちも、動揺を隠せないながらも上手い具合に慌てる演技をする。




流石、演劇部だ。








『おーっと、突如現れた謎の青年により白雪姫がとらわれてしまう』








俺、何してるんだろう。









「赤葦…?」








眠っていたはずの白雪姫の腕を引いて、俺はステージを降りて体育館を出た。




白雪姫の手を離すことなく、人混みをかき分ける俺の頭の中は意外と冷静で。




攫った白雪姫を、誰もが振り返る。




─────気づいたら、校舎裏まで走っていた。









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染められた林檎→←木兎さんの本音



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設定タグ:ハイキュー , 梟谷 , 赤葦京治   
作品ジャンル:恋愛
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凛々 - 赤葦と夢主の掛け合いが素敵…。甘さが私に合いすぎです!続きが気になって仕方ないです。 (2019年11月8日 20時) (レス) id: df09ac0ca3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 39話以降のタイトルのセンス良すぎでは…。全話タイトルつけてほしいくらいです。。。 (2019年9月23日 18時) (レス) id: c3e4fd17c8 (このIDを非表示/違反報告)
madoka - コメント失礼します。小鈴さんの作品は「これぞ純愛!」って感じがして、穢れが一切ない感じがたまらなく好きです!今回もいい感じのキュンキュンありがとうございます!番外編と続編も楽しみにしています!これからも頑張ってください! (2019年9月20日 13時) (レス) id: b7f00b86d0 (このIDを非表示/違反報告)
ずー(プロフ) - あまーい!!実は木兎さんが主人公に片思いをしていたこともめっちゃ胸キュンでした!!本当に小鈴さんの作品大好きです!!!!! (2019年9月19日 13時) (レス) id: 1ffe4440e9 (このIDを非表示/違反報告)
すいか(プロフ) - めっちゃキュンってくるのと、赤葦のかっこよさが、いつもより増してまじでよかったです!他の作品も読んでみようと思います (2019年9月18日 20時) (レス) id: 2af2bdbcf5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小鈴 | 作成日時:2019年9月7日 19時

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