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所有欲 ページ47

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私は木兎と同じ大学に進学し、バレー部のマネージャーをやっていた。



「おいそこ!俺のAに見惚れてんな!」
「木兎!そういう恥ずかしいこと言うのやめて!」
「だって、お前は俺の彼女だろうが」



そんな部活の最中、私は黒尾鉄朗の練習の球出しをしていた。
木兎と黒尾は高校時代に合宿や試合をやった仲らしく、その流れもあり黒尾と専攻が一緒の私はすぐに打ち解けた。



「なぁ、黒尾。俺放置されて辛いんだけど!俺のA返して!」
「うるせえ!部活とプライベートの分別くらいつけろ!」



もう一本頼むわ、と私に言う黒尾は最近やけに部活に打ち込んでいるようだった。
黒尾の言葉に木兎を見ると、ふらふらした様子で体育館の隅の方に座り込んだ。
赤葦がいないと、こういう時に困ると常々思っている。

部活を終え、モップを用具室に片付け戻ろうと踵を返すと、ドアの前で木兎が腕を組んで仁王立ちをしていた。



「ちょっと退いて木兎」



そう言って横切ろうとすると、木兎が私の腕を引いて、自分の胸に収めた。



「木兎!?」
「Aは、俺のだろ?」



木兎がそう言って私の首元に顔を埋めた。



「ちょっ、なに!?って嗅がないで!今日汗かいたから!」
「Aの匂い、好き」



木兎が私の腰をしっかり固定しているせいで、逃げられない。


「外に人いるんじゃ、」
「もう帰った」
「やっ、」


首筋の生ぬるい感覚に、短い声が漏れる。



「しょっぱい」
「木兎、ちょっ、待って」



木兎の厚い胸板を押しやると、大きな手が私の頬を包み込む。



「Aがマネやってくれて、一緒にいる時間増えてすげー嬉しいのに、すげーモヤモヤする」



木兎が眉を顰めて、なんだか苦しそうな表情で私を見ている。



「他のヤツらと、あんま話さないでほしいって思っちまう」
「私はマネージャーだから、それは、」
「じゃあ、今だけ」
「いっ、家まで待てないの…?」
「待てない」



‛少しだけ’
そう言った木兎は、返事を待つことなく荒々しく私の唇を塞いだ。
息をする間もなく角度を変えて降ってくるキスに、私は縋るように木兎の首に腕を巻き付けていた。

木兎が‛口あけろ’とでも言うように私の上唇を甘噛みする。

薄っすらあいた一瞬の隙も見逃さずに口内への侵入を許す。


「A、好き」



私は迫りくる快楽に溺れないよう、必死に木兎にしがみつくので精一杯だった。




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設定タグ:ハイキュー , 木兎光太郎 , 梟谷   
作品ジャンル:恋愛
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アニメしか勝たんっ!! - やっぱり、木兎さんはかっこいい...! すっごくキュンキュンしました! それと、赤あしの片思い...  素敵な作品ありがとうございました!! (2021年9月6日 19時) (レス) id: a9d6af11eb (このIDを非表示/違反報告)
しきし(プロフ) - 木兎が好きで色々な木兎作品を読みますが、結局小鈴さんのこの作品に戻ってきてしまいます、何度読んでも好きです!! (2020年8月21日 20時) (レス) id: 46b82dd2cd (このIDを非表示/違反報告)
モンブラン♪@アップルパイも捨てがたい(プロフ) - 尊い。私ごときの語彙力じゃ表せないです。なんか、もう、尊い。 (2019年11月24日 22時) (レス) id: 4e49721770 (このIDを非表示/違反報告)
c.f(プロフ) - 番外編読みました。私のツボを抑えておられますね…最高です。そして実は短編集とかもいける口では…?と思ってしまうほど纏まった内容でドキドキが止まりませんでした!また更新楽しみにしてます! (2019年10月4日 21時) (レス) id: 05c431cb99 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 通知がきて飛んで来ました!やっぱり木兎さんの書き方上手ですね。強引な感じも好きです。そして作者さんも好きです。これからも楽しみにしてるので更新頑張ってください!!! (2019年10月3日 18時) (レス) id: 1247715456 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小鈴 | 作成日時:2019年7月30日 20時

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