”先輩と後輩”・”彼氏と彼女” ページ43
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木兎の協力のもと、私は部活帰りの赤葦を校門の前で待ち伏せしていた。
赤葦は勘がいいからな。大丈夫かな、木兎ちゃんとやってくれてるかな。
そんなことを考えながら待っていると、
「あれ、Aさん」
ジャージ姿の赤葦が立っていた。
「あ、赤葦」
「木兎さんなら、まだ体育館にいますけど」
「違う、赤葦に用があって」
「俺ですか」
私は赤葦に足を向ける。
「赤葦」
「はい」
「この前は、ごめん。赤葦に八つ当たりした」
「俺の方こそすみません。Aさんを困らせました」
その言葉に、私は唇を噛み締める。
赤葦に、謝ってほしいわけじゃない。
謝らせているのは、私だ。
「私は、赤葦の気持ちには応えられないけど、でも、嬉しかった」
ありがとう。
そう言って顔を上げると、赤葦は目を丸くして、小さく笑った。
「敵いませんね。木兎さんにも、貴方にも」
「え?」
「でも自惚れないでくださいね、俺は木兎さんに一喜一憂しているAさんを好きになったんですから、変な気起こさないでくださいね」
「う、うるさいな!」
良かった。
いつもと変わらず話せてる。
「うわ」
「わっ」
「よー、お前ら何してんだ!帰るぞー」
急に後ろから肩を組まれて、体がよろける。
「木兎さん、急になんですか」
「ふはははは!久しぶりに三人で帰ろうぜ!ヘイヘーイ!」
私の肩に回す木兎の逆の手には赤葦。
赤葦、笑ってる。
「お、どうしたA、ラーメン食ってくか!」
「たまにはいいね」
「おい、赤葦も行くだろ?」
「勿論です」
今日は、月が綺麗だ。
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アニメしか勝たんっ!! - やっぱり、木兎さんはかっこいい...! すっごくキュンキュンしました! それと、赤あしの片思い... 素敵な作品ありがとうございました!! (2021年9月6日 19時) (レス) id: a9d6af11eb (このIDを非表示/違反報告)
しきし(プロフ) - 木兎が好きで色々な木兎作品を読みますが、結局小鈴さんのこの作品に戻ってきてしまいます、何度読んでも好きです!! (2020年8月21日 20時) (レス) id: 46b82dd2cd (このIDを非表示/違反報告)
モンブラン♪@アップルパイも捨てがたい(プロフ) - 尊い。私ごときの語彙力じゃ表せないです。なんか、もう、尊い。 (2019年11月24日 22時) (レス) id: 4e49721770 (このIDを非表示/違反報告)
c.f(プロフ) - 番外編読みました。私のツボを抑えておられますね…最高です。そして実は短編集とかもいける口では…?と思ってしまうほど纏まった内容でドキドキが止まりませんでした!また更新楽しみにしてます! (2019年10月4日 21時) (レス) id: 05c431cb99 (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - 通知がきて飛んで来ました!やっぱり木兎さんの書き方上手ですね。強引な感じも好きです。そして作者さんも好きです。これからも楽しみにしてるので更新頑張ってください!!! (2019年10月3日 18時) (レス) id: 1247715456 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小鈴 | 作成日時:2019年7月30日 20時