らぶ19 ページ19
《舘川の家族事情 3》
『うっし、こんなもんか』
日差しを凌ぐための帽子と風を送るためのうちわが入った袋の中を覗く。
あとは自販機で飲み物買えばミッションコンプリート。
クソ暑い日差しが降り注ぐ中待っているであろう松田をあまり待たせてもいけないと思い小走りに自販機を探す。
『(えーと、自販機自販機……お、あった)』
向かう少し先に、ぽつんと立っている自販機を見つける。
松田の待つベンチからもさほど離れてないから、持ってくうちに温くなる心配はしなくて良さそうだ。
何買うか考えてなかったな。
ま、無難にスポドリとミネラルウォーターと、あと炭酸でいいか。
ガコンガコンとペットボトルが落ちる音を聴きながら、最後の炭酸を買おうとボタンに指を
「おにいちゃん!!!」
『ぐっふ』
伸ばしたら後ろからの衝撃で容赦なく押される俺の指。
背中に感じる重量と、やわい感触、それとさっきの声。
『……
「うん!! なぁにおにいちゃん!!」
呼びかけに元気に答えたのは、俺の妹、舘川姫那多。
現在高校二年生。
青春真っ盛り、オシャレもおしゃべりもおイタもしたいお年頃。
そしてなにより言いたいのが、コイツは俺が大好きだということ。
自意識過剰でもなんでもない。事実だ。
正直会うと思ってなかった。とてもめんどくさい。
『……久しぶり。今日は何してんの』
「もうっ、やだなぁおにいちゃんってば、おにいちゃんに会うために来たに決まってるでしょ!!」
嘘つけ。
俺はこいつに今日ここに来ることなどひとっことも告げてない。
約束だって以ての外。つまり偶然だ。
『いや約束してねぇけど』
「じゃぁ運命だね!!」
駄目だ話が通じねぇ。
嬉々として腕を絡めてくる姫那多に、俺は諦めて自販機から飲み物を取り出した。
出てきたのはスポドリにミネラルウォーター、それとお汁粉だった。なんでや。
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木犀 - 心臓が…ヴッ (11月12日 10時) (レス) @page25 id: 68b438f60e (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - 続きを……見せてくれ……グハッ(尊死) (5月25日 23時) (レス) @page25 id: 3ae1de71d0 (このIDを非表示/違反報告)
プラみこ - 続きは? (2022年12月6日 0時) (レス) @page25 id: dfed105dba (このIDを非表示/違反報告)
た - 続きが欲しいです。! (2022年5月13日 22時) (レス) @page25 id: 9def5872af (このIDを非表示/違反報告)
はろ。(プロフ) - かわいすぎて、、、、続きらないんですか!!。!!!! (2022年5月12日 17時) (レス) @page25 id: a6aa59562f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フィラン | 作成日時:2018年11月10日 19時