【男主】ぎゅっとぎゅっと、【名探偵コナン】

ぎゅっと、7 ページ7

｢よーぉ、相変わらず仲良いなぁお前ら｣


がばり、松田から瞬時に体を離し、扉の方へ目を向ける。そこには今まさに話題の中心だった野渡がああぁああっ！！
今の！！ 見られた！？


｢の、野渡……｣

｢おう、萩原一昨日振り。松田は昨日ぶりだな｣

｢もはや久しくもなんともねぇ｣


松田の言葉に｢確かに｣と言って笑う野渡は今日もとても輝いている……んじゃなくて！！


｢別に！ 俺松田と仲良くなんかねぇから！！｣

｢唐突な不仲宣言｣
｢ツンデレだな〜萩原は｣


ほのぼのと茶化してくる2人。

松田の目が｢だから言ったのに｣……って、あの頭退けろは『野渡来るから誤解されたくなかったら退けろ』って意味だったの！？ 分かるわけなくない！？

松田と仲良いのは当たり前だけど、野渡に必要以上に仲良くしてるところを見られるのはなんか〜っ。

付き合ってる訳でも告白する訳でも無いけど、俺が不純だからか、浮気してるような気分になるんだよ……。


うぅ……と項垂れていれば、二人分のため息が。野渡にまで呆れられてるし……。


｢まーま、萩原と松田が仲良いのなんて今更すぎる程知ってるからさ。気にすんなって｣

｢俺はちゃんと忠告してやったかんな｣

｢忠告？ なんの？｣
｢お前は知らんでいい｣


なんだよ俺だけ仲間外れかよ〜とぶすくれる野渡が、ま、いいやと気を取り直して何かを取り出した。


｢これ、近くにある有名なラーメン店の割引券。今日までで俺と航とで行こうと思ったんだが、それでも2枚余る。てなわけで一緒に昼どう？｣

｢行きます｣
｢野渡の奢りな｣


椅子から勢いよく立ち上がった俺と松田。

松田に奢れと言われてるにも関わらず、仕方ねぇなとにこやかな笑みを浮かべる野渡の後を俺はほくほくした気持ちで着いて行った。

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