Episode:16 ページ17
結論を言えば、助かった。
背中には酷いやけど、全ての衝撃を受け止めた足は両方とも骨がバキバキにやられた。
無事だなんて間違っても言えないが、助かったのだ。安堵で思わず深い溜息をつけば、傷付いた場所がズキズキと傷んだ。
｢か、みかぜ……｣
俺の下で呆然とした声を発する陣平に、目立った負傷は見当たらない。頬に一筋走った血の跡があるけれど、今見える範囲ではそれだけだ。
なんの見返りもないのに、随分損なことをしたものだと今更自分に呆れる。両足は使い物にならねぇし、火傷の跡が消えることもないだろう。
自ら危険な事するなんて、もしかして俺は馬鹿だったのかもしれない。
きっと俺一人なら、こんな大怪我すること無く、無傷に近い形で助かることが出来ただろう。
それでも、いま俺の腕に顔の両わき囲まれてあほ面かます陣平を見ると、｢あぁ、助けて良かった｣なんて思えてしまうのだ。
｢A｣
｢……は？｣
｢だから、A。俺の名前だよ｣
呼んでくんねぇの？
そういって笑えば、陣平も笑う。
｢…………A｣
噛み締めるように俺の名前をよんだ陣平の、潤んだ瞳から大粒の涙が零れ落ちた。
酷い顔だ。でも、その顔が酷く美しく見えて、零れた涙を拭うように頬にやわく手を添えた。
これから俺はきっと公安に情報洗いざらい吐かされて、刑務所行きか地獄への片道切符を握らされるのだろう。
両足バキバキ、痛みで体が思うように動かせない挙句、陣平に抱きつかれてるもんだから動こうとすら思えない。
組織の幹部としては、ここで逃げるか周りにいる全員殺して無かったことにするのが正しいのだろうが。
人目もはばからず大泣きする陣平見たら、んなこた出来ないよなぁ。
ぎゅうぎゅう首に長い腕を巻き付けてこれでもかと締めてくる陣平の頭を、自分を支えるのとは逆の腕だけで撫でてやる。
近寄ってくる多くの足音に、俺の犯罪者ライフが終わりを迎えるであろう事を悟る。
あーあ、俺の能力生かせて結構いい職場だったんだがなぁ、なんて。
薄く笑って、抱き込んだ頭に顔を埋めた。
＊＊＊
親友に逢いに行くのは当分諦めるこった。
ま、爆発は二度と勘弁かな。
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はろ。(プロフ) - 番外編ないんですか？みたいです！！！！！！ (2022年5月16日 0時) (
レス) @page19 id: 54f54d302e (このIDを非表示/違反報告)
二階堂嗹哉（廻）(プロフ) - あなたか！！あなただったのか！！（机バァン）（警察学校側から読み進め戻ってきた謎主）じんぺーちゃんかわいい！次ははっぎも救いましょう！！ (2019年5月18日 22時) (レス) id: b3cb4375d4 (このIDを非表示/違反報告)
フィラン(プロフ) - 有明さん» 分かりますか〜！わーい(*´▽`) 未来で皆笑えてたら最高にハッピーですよね！ コメントありがとうございます！ (2018年11月9日 6時) (レス) id: e3629716db (このIDを非表示/違反報告)
有明 - 攻め主いいですよね！分かりますその気持ち。松田くん達には幸せになってほしい！応援してます。 (2018年11月8日 23時) (レス) id: 54541a3b44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フィラン | 作成日時：2018年11月7日 0時
