Episode:5 ページ6
｢ところで陣平なんか嫌な事でもあったのか｣
どこか確信したような響きで発した俺の問い掛けは、髪の毛をモサモサ拭いていた陣平が固まったことにより確定化した。
＊＊＊
あれから会話をしてみれば、陣平は初対面の割に随分と気を遣わなくて良い相手だった。それは相手も同じだったようで、初めて来た家にも関わらずすっかりリラックスモードだ。
犯罪者の家に来た初対面の警察官が呆けた面で髪の毛を乾かす。字面やば。
結局ボコッたヤツらの特徴はきちんと聞き出したし、その後は不潔だからとかなんとか言って風呂にぶち込んだ。すっげー反抗されたけど。
なんだか懐かない猫みたいでいじるのが楽しくて仕方がない。口は悪いがそれも愛嬌だろう。
財布は朝にでも回収しに行くか。酔いは覚めてる様子だったから薬は要らねぇな。
未使用の下着とジャージを脱衣所に置いて、携帯で探り屋として組織に名を広めているバーボンに依頼を入れる。内容は言わずもがな陣平をボコッたヤツらの素性調査。自分でも出来るけど、面倒だから投げちゃえ、えいっという軽いテンション故だ。それに溜まりに溜まる預金残高の使い道が分からないのでここら辺で使っとこうという気持ちもあったりなかったり。
陣平から聞いた特徴を雑にまとめヨロシク〜で締めて送れば、情報少なすぎもっとねぇのかコノヤロウ(意訳)という返信が来たのでねぇよと返しておいた。探り屋なんだから頑張って欲しいと思った。作文かな？
それにしたって路地に転がってる奴とこんなに親しく話ができるなんて思わなかった。
俺は特別外向けの顔を持っていないので、もっぱら話す相手といえば組織の人間くらいだ。それが人助けをして警察官と知り合いになるとは。流れ的に泊めることにもなるだろうな。警察官と知り合いとか、逮捕願望でもあんのかな、俺。
ヘタに素性を探られて犯罪者だとバレるのは不味い。かといって関わらないという選択肢は俺にはない。気に入っちまったもんは仕方ねぇだろ。
ま、警察官と友人の犯罪者、なんて立場、リスキーで楽しそうじゃねぇか。
なるべく早めによろしくとバーボンに追加でメールを送信すると同時、受信したメールは依頼したヤツらの素性だった。すっげ、仕事早すぎね？？ 優秀過ぎる。
そんなことをしていると、風呂から上がった陣平が髪を拭きながら此方に歩いてきた。
｢ところで陣平なんか嫌な事でもあったのか｣
そして冒頭に戻る訳だ。
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はろ。(プロフ) - 番外編ないんですか？みたいです！！！！！！ (2022年5月16日 0時) (
レス) @page19 id: 54f54d302e (このIDを非表示/違反報告)
二階堂嗹哉（廻）(プロフ) - あなたか！！あなただったのか！！（机バァン）（警察学校側から読み進め戻ってきた謎主）じんぺーちゃんかわいい！次ははっぎも救いましょう！！ (2019年5月18日 22時) (レス) id: b3cb4375d4 (このIDを非表示/違反報告)
フィラン(プロフ) - 有明さん» 分かりますか〜！わーい(*´▽`) 未来で皆笑えてたら最高にハッピーですよね！ コメントありがとうございます！ (2018年11月9日 6時) (レス) id: e3629716db (このIDを非表示/違反報告)
有明 - 攻め主いいですよね！分かりますその気持ち。松田くん達には幸せになってほしい！応援してます。 (2018年11月8日 23時) (レス) id: 54541a3b44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フィラン | 作成日時：2018年11月7日 0時
