ウインクを5回 ページ6
その言葉に、俺はぱちくりと目を瞬かせた。
『本当ですか？ 嬉しいな、貴方の様な素敵な方に知っていただけてたなんて』
｢っ……｣
成程。それならさっきの初心な反応もうなずける。
今だって顔を真っ赤にして必死に言葉を探しているしな。
うろうろと忙しなく瞳を泳がせる彼に、俺から話題を提供する。
『それじゃあ、当たり障り無ければ俺に名前、教えて頂けませんか？』
｢あ、安室、透です…｣
『透さん、ね。それじゃあ透さん』
｢わ、｣
真白い手袋に包まれた透さんの手を取り、俺は茶目っ気たっぷりにウインクした。
『ちょっと、抜け出しません？』
＊＊＊
『クリスさんには悪い事しちゃったかな。ね、透さん、クリスさん怒ってますかね？』
｢あ、いえ、大丈夫だと思います……それで、あの錦城さん、｣
『錦城さんだなんて他人行儀な。Aでいいですよ』
｢……A、さん。会場を勝手に抜け出してしまっていいんですか？ それと、どちらに向かっていおいでで？｣
透さんの手を引っ張って、人気のない裏路地を歩く。
パーティ会場はとっくの前に抜け出してるって訳だ。
『俺、パーティ嫌いなんですよ。抜け出した理由はほんとにそれだけで。さっきまではちゃんと媚び売ってやろうと思ってたんですけどね〜』
｢……それでは、何故｣
『ん〜、あんな所でファンって言ってくれる貴方に会えたって事もあるけれど、なんて言うのかな』
一度言葉を切り、立ち止まった俺を透さんは不思議そうに見詰めてくる。
パーティ会場での真っ赤な顔が嘘のように、真剣な、ハッキリとした瞳で。
それに口角を上げて、俺は彼のことを引き寄せる。
｢っ…！！｣
直ぐに身を強ばらせた透さんの耳に唇を近づけ、囁くように言葉を吹き込む。
『貴方の事、知りたくなっちゃったんです』
一気に熱を持った彼の体を抱きしめたまま、俺は静かに微笑んだ。
続く (更新停止中)
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若宮真琴 - 好きです！更新頑張ってください！待ってます！！！！ (2020年6月27日 7時) (
レス) id: f98349de18 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 面白すぎます！応援してます！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月27日 11時) (レス) id: 0a80c4d22b (このIDを非表示/違反報告)
零 - うう、とても好きです！！ 続き楽しみにしてます！！ (2019年3月11日 17時) (レス) id: 1ce3eca1cb (このIDを非表示/違反報告)
フィラン(プロフ) - 蘿娜さん» うわ〜ありがとうございます(* >ω<) 展開悩んでて遅くなると思いますが頑張ります〜(∩´∀`∩)*゜ (2018年11月27日 20時) (レス) id: e3629716db (このIDを非表示/違反報告)
蘿娜(プロフ) - (>ρ<)<ｸﾞﾊｯ)続きが気になり書き込みました,更新待っています。 (2018年11月27日 10時) (レス) id: 665cc32b02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フィラン | 作成日時：2018年11月14日 20時
