幸せの犯罪 daiki+ryosuke

幸せ 04 ページ4

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「んぅ…」





自然と、目が覚めた


まだ開ききっていない目をこすり起き上がった

辺りを見渡すと見慣れない部屋
いつものゴミ屋敷じゃない


ここはどこだ？
なんで俺がここに？

寝起きの頭を働かしていると
部屋の扉が開いた




「おはよ」




お盆に美味しそうなご飯を乗せ
俺の名前を呼ぶ見知らぬ人

けど、その顔に見覚えがあるような気がして
徐々に昨日の記憶を思い出す




『君を今から誘拐するね』

『…うん。誘拐して』




「あ…」

「思い出した？あれからいきなり倒れちゃってさ。びっくりしたよ

あ、手首気をつけてね」




そう言われ、手首に包帯が巻かれていることに気がつく
巻いてくれたんだ。

さ、ご飯食べよっか。と小さな机にご飯を置くソイツ
いい匂いに誘われベッドから降りようとすると




「っい、た…」

「大丈夫か？」




全身が痛み、声を漏らすと
心配してすぐに俺に駆け寄った

思わず涙が出そうになる

久しぶりだ。
優しさに触れたのは。

そんな俺を察したのか、ソイツは俺を抱きしめた




冷たく凍っていた心が
太陽に溶かされていくような感じがする

枯れていたはずの涙がポロポロとこぼれ落ちた





温かいぬくもりを感じ、

「もう苦しまなくていい」

そんな風に言われているような気がした






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