[w.rwr.d]大嫌いって言ったはずなんですが.....[zm].

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コンコンコン

ドアをノックされても返事もない
小さく溜息をつきながら勝手に部屋に入っていく
そして違和感に気付く

静かすぎる
備え付けのトイレもお風呂も簡易キッチンも使った形跡は無い
部屋の隅にあるベッドも綺麗にメイキングされたまま
使われていない
ただ一つ
クローゼットの扉が少し開いている
けれど人の気配は無い


この部屋にいるべき人が居ない

そして窓が開けっ放し

.........


｢ゾムさんがいません！！｣


私の叫び声に真っ先に走ってきたトントンさん

｢どういうことや？｣

｢そのままの意味です。部屋はもぬけの殻、そして窓が開いてましたからおそらく外に行ったのかと｣

｢逃げたって言いたいんか？｣

｢あの方がそんなことすると思いますか？｣

｢ゾムは部屋に籠って出てこやんってことはあっても逃げるような事はしやんな｣
｢カメラに城から出ていく姿映ってたわ｣

シャオロンさんとロボロさんが続いて走ってきました


｢ん〜ならあそこに行ったんかなぁ？｣

呑気な声でのんびりと大先生が歩いてきました

｢何か知っとるんか？｣
｢多分、当たっとるとは思うよ｣

トントンさんの質問にものほほんと答えてます

｢危険は？｣

｢ゾムさんなら大丈夫やろ？けど......｣


｢ちょっと1、2週間くらい僕に休みくれへん？｣


その時少しゾクッとしました

あっ
大先生、怒ってらっしゃる


｢......しゃーないで許可したるわ｣

なぜ休みがいるのか理由を聞かなくても分かったみたいです


｢んふ、アリガトね｣

そう言って胸ポケットから何かを取り出しトントンさんに渡している大先生
笑顔の大先生

中身を確認したトントンさんが何とも言えない顔をしています

｢あげる｣

それだけを言って窓枠に足をかける大先生

｢んじゃ行ってくるね〜
ロボロ、あと頼むな｣

そう言って飛び降りた大先生

｢簡単に個人情報(黒歴史)渡してくなよ｣

ポソッと言ったトントンさんの呟きは皆あえて聞いてないことにした

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