【wrwrd！】短編集なんですが！ (ページ8)

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教会に毎日来る少女がいる

両親を早くに亡くし叔父のところで世話になっているらしい
毎日来るので聞いてみたら教えてくれた

叔父夫婦には本当の子どものように可愛がってもらっているらしい
本人にも、他の方たちにも聞いてみたら皆同じことをいっていた
確かに暴力を振るわれているような感じもなく、ご飯を食べていないといった感じもない
ただ、１つ
彼女は毎日懺悔をしに来る

直接教会で会ったことはない

カーテンで区切られた個室で話を聞くだけ

いつも彼女は同じことを俺に話してくれる

『叔父さんや叔母さんは本当に優しいんです
二人には息子さんが１人います。私よりも年上です。彼も愛してくれています。でも……』

『束縛が酷いんです。昼はいつも家にいません。夜、叔父さん達が出掛けるとそれは始まるんです』

『叔父さん達は夜は毎日飲みに行っています。夜中まで帰ってこないので…………』

『はじめての時は怖くて痛くて、ずっと泣いていました。終わってから理由を聞いたんです。私を愛しているから。だからこういうことをするんだって。愛を確かめ合うためにって』

『わからないんです。私を本当に愛しているからなのか、それとも捌け口として見てるだけなのか…………だって、名前呼ばれたこと一度もありませんから
枢機卿様、私はどうするべきなんでしょうか？彼を愛しているのかはわかりません。だって……小さいときから一緒にいるお兄ちゃんなんですから…………』

「話をしてみては？彼が本当に貴女を愛しているのなら話を聞いてくれるはずです
そうでないのなら、叔父夫妻に相談してみてはいかかでしょうか？」

『…………わかりました。今日話をしてみますね
いつも話を聞いてくださりありがとうございます』

「いえいえ、話を聞いてあげるくらいしか私はできませんから」

去っていく彼女を見ながら考えるのは夜の事

ああ、あんなに可愛く鳴くんだから、手放せるはずがない
でも、今日は話を聞いてあげよう

いつ気づくだろうか

相談している枢機卿が夜、自分をベッドに縛り付けている人物と同じだと

もし知ったらどんな顔をするんだろう

ああ、楽しみだ

でも、離すつもりはない

彼女を愛しているのは本当なのだから

今日もどんな声で鳴いてくれるのだろう

ああ、楽しみだ

早く夜が来ればいいのに