＊３０７話 ページ8
「…確かにセカンドキスは酷かった」
樹「っ……ごめん」
「大事なファーストキス、記憶ないし」
樹「……………」
「………だから、塗り替えて」
樹「………え…？」
「……もっと幸せだと思うキスをして」
その丸くなった瞳から、今すぐ視線を逸らしたくなる。
自分が…何を言ってるか、ちゃんと分かってる。
とんでもなく恥ずかしいこと言ってるのも分かってる！
ファーストキスはまさかの記憶なし
セカンドキスは…苦しくて仕方なかった。
胸がモヤモヤして…悲しかった。
……でも
そこで立ち止まるのは違うでしょう？
「キスが苦しいものじゃないって…教えて」
それが、あなたに出来る唯一の報い。
彼が私の頬を撫でて…熱い視線と絡み合う。
樹「…Aのそういうところ、大好き」
「っ…んっ…」
唇と唇が重なる。
頬を撫でる手と
まるで安心させるみたいに私の手を握る手。
あの時みたいに乱暴なキスじゃなくて
優しくて、ドキドキして…
呼吸の仕方すら忘れるようなキス。
彼の首に腕を回して抱き着けば
しっかりと抱きしめ返してくれる。
吐息すら奪うようなキスに、彼の余裕がなくなっていくのを感じる。
唇を合わせてすぐ離れるようなキスから
どんどん深く重なっていく。
私を抱く彼の腕の力が強くなっていくのと反対に、私の力はどんどん抜けていった。
そのままソファーに押し倒される。
樹「はぁっ…止まんない」
「っん…」
胸と胸がぶつかって
彼の胸板の硬さとその奥にある鼓動が、私の身体に刻まれるみたいに伝わってくる。
苦しいけど、あの時みたいな苦しさじゃない。
樹「っ…今自分がどんな顔してるか分かってる？」
「はぁっ……そっちこそ」
樹「はぁ、ヤバ…余裕ない」
彼の余裕のない表情が、胸をキュンと高鳴らせる。
「きゃっ」
彼が私を抱き上げて寝室まで運ばれる。
ふかふかのベッドに押し倒されて
この先の展開を想像しては、緊張と不安と期待で…心臓は壊れそうなくらい高鳴っていた。
「んんぅ…」
唇を塞がれて…舌をねじ込まれると、一気に何も考えられなくなる。
ビックリして引っ込めた舌すら、逃がさないみたいに絡み取られてしまう。
唇が離れて、呼吸を整えている間に
彼が服を脱いだ。
その鍛え上げられた身体に私のキャパはとっくにいっぱいになっていて。
「…優しくして」
樹「ん…頑張る」
そんな言葉の応酬で、溢れかえってしまった。
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彼岸花(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！こだわってる部分皆さんに知って欲しくていろいろ書いてしまいました笑 ドキドキしてくれて凄く嬉しいです！壱馬くんエンドも制作中ですのでぜひまたドキドキして欲しいです！ (10月17日 22時) (
レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 長い間ドキドキをありがとうございます泣まさかハンカチやカクテルにも意味があるとは思ってなかったので今から読み返すことにワクワクしてます！笑毎日の更新に本当に踊らされてる気分でした！！壱馬くんendもあると？そちらも毎日ドキドキで読んでる未来が見えます笑 (10月17日 12時) (レス) @page46 id: 48ea1ba99f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - M aさん» コメントありがとうございます！毎日更新大変でしたが、皆様が毎日楽しみにしてると言ってくれてとてもやり甲斐がありました！樹くんとは綺麗な終わり方だったので、ここで終わろうと思ったのですが、やっぱり壱馬さんの世界線も書きたいと思いました！ぜひお楽しみに！ (10月16日 8時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - はじめまして。完結お疲れ様でした😊 一日の終わりに更新されているのが、毎日嬉しくて楽しみだった作品でした！樹くんとの幸せなお話は終わってしまい寂しいですが、壱馬くんとの世界線も見られるということで、引き続き楽しみにしております😳 (10月16日 8時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - あすかさん» コメントありがとうございます！とても長く感じました笑 季節を皆様とたくさん越しましたね笑 でもとても幸せでした！また壱馬くんEND続きますので、是非読んでくださると嬉しいです！ (10月16日 8時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年9月24日 19時
