＊３３８話 ページ39
靴を脱いでベッドに上がり、その服を手にした瞬間…
「きゃっ…！」
いきなり腰を抱かれて、そのままベッドに押し倒された。
「い、樹…？」
樹「ん〜？」
「服、着るんじゃないの？」
樹「…どうせまた脱ぐからいい」
「っ………」
私の顔中にキスを落とす樹は
甘えたモードに入っているのか、獣モードに入っているのか。
どちらにせよ私の心臓はおかしくなっちゃうんだけど。
もっとかわいい部屋着を着てくればよかったって、スウェット姿の私は今さら後悔した。
でも彼は、そんな私の後悔なんて一ミリも気にせず、機嫌よさそうに私を抱きしめて笑う。
樹「明日はAとお家デート」
「…楽しみ？」
樹「当たり前、Aの家に入る男、俺が初めてでしょ？」
「う…ん？…いや……」
樹「……いや？」
あ、ヤバい。
樹の声が低くなったのを感じて、口を滑らせてしまったと気づいた。
樹「…いや、ってどういうこと？」
「あ、違う…やましい意味じゃなくて」
樹「…誰か俺以外の男を家にあげたことあんの」
「その…か、壱馬くん……」
樹「……は？」
「前に風邪ひいたときに看病してくれただけ！変な意味じゃなくて！私、壱馬くんの前で寝ちゃったから…心配して付き添ってくれただけというか…」
樹「……………」
「い、樹…？んんっ…！」
黙り込んでしまった樹の顔を覗き込めば、強引にキスをされた。
両手で私の顔を包み込んで、逃げられないようなキスに、呼吸が浅くなる。
「っはぁっ…」
樹「…壱馬さんと仲良すぎ」
「樹、ちがっ…」
樹「付き合ってないのにお揃いのピアスとかするし、俺とのデート中にハンカチとか選び出すし、香水の交換とかしてるし」
「ま、待っ…」
樹「俺らよりカップルっぽいことしてんじゃん」
樹の意地悪な言葉に必死に首を横に振る。
可愛いなんて言ってられない嫉妬。
首筋に顔を埋めて、チュッと音を立てる彼に、ぞくりと震えあがる。
「そ、そんなことないっ…」
樹「……………」
「…恋もキスも何もかも…教えてくれたのは樹でしょ…？」
樹「っ…ズルい」
「あっ…」
服を捲って肌を撫でられる。
樹「今日…いつもよりヤバい」
彼の言葉、視線、吐息
何もかもが私の心を揺さぶる。
私の大事な初めてをたくさん奪っておいて嫉妬しないでよ。
私は、貴方しか知らないのに。
吐息と吐息が混ざり合って…
深く縫い付けられたみたいに、二人してベッドの海に沈み込んだ。
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彼岸花(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！こだわってる部分皆さんに知って欲しくていろいろ書いてしまいました笑 ドキドキしてくれて凄く嬉しいです！壱馬くんエンドも制作中ですのでぜひまたドキドキして欲しいです！ (10月17日 22時) (
レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 長い間ドキドキをありがとうございます泣まさかハンカチやカクテルにも意味があるとは思ってなかったので今から読み返すことにワクワクしてます！笑毎日の更新に本当に踊らされてる気分でした！！壱馬くんendもあると？そちらも毎日ドキドキで読んでる未来が見えます笑 (10月17日 12時) (レス) @page46 id: 48ea1ba99f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - M aさん» コメントありがとうございます！毎日更新大変でしたが、皆様が毎日楽しみにしてると言ってくれてとてもやり甲斐がありました！樹くんとは綺麗な終わり方だったので、ここで終わろうと思ったのですが、やっぱり壱馬さんの世界線も書きたいと思いました！ぜひお楽しみに！ (10月16日 8時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - はじめまして。完結お疲れ様でした😊 一日の終わりに更新されているのが、毎日嬉しくて楽しみだった作品でした！樹くんとの幸せなお話は終わってしまい寂しいですが、壱馬くんとの世界線も見られるということで、引き続き楽しみにしております😳 (10月16日 8時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - あすかさん» コメントありがとうございます！とても長く感じました笑 季節を皆様とたくさん越しましたね笑 でもとても幸せでした！また壱馬くんEND続きますので、是非読んでくださると嬉しいです！ (10月16日 8時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年9月24日 19時
