＊３２１話 side藤原樹 ページ22
樹「……もう俺に話しかけんな」
ショックを受けたような彼女の表情が
みるみるうちに歪んでいく。
機嫌悪そうに眉を寄せて、俺を睨みつける。
「なんで？私のときはそんなんじゃなかったじゃん」
樹「……………」
「平気でほかの女と二人でご飯とか行ってたくせに」
…そもそも彼女と別れた理由は
彼女の束縛が激しくて、めんどくさかったからだ。
俺が話す女性、仕事プライベート関係なく嫉妬して
それがどんどんエスカレートしていった。
彼女の言うほかの女は、俺の姉であり
当時姉や妹たちの連絡先を消されて、喧嘩になって別れた。
「そもそもあの女のどこがいいわけ？」
樹「……………」
「確かにちょっとは綺麗だけど、私のほうが断然綺麗だし、仕事女でつまんないし、可愛げもない」
樹「……………」
「見損なった、あんな女が好みだったっけ」
フンッと鼻で笑う彼女は、本気でAさんより自分のほうがいい女だと思っているらしい。
確かに…Aさんは俺にあんまり優しくない。
言葉はツンツンしてるし、俺に甘えるのなんて本当に稀だし
仕事にまっすぐで…俺になかなか気持ちを話してくれない。
時々、本気でムッとするようなことを言うときもある。
喧嘩することだってある。
…でも俺にとっては…
そんなところまで完璧だって思えるような人なんだよ。
樹「…うん」
「……は？」
樹「可愛いでしょ、俺の彼女」
「っ…！！」
可愛げないの自覚して悩んじゃう彼女が可愛い。
スマホでチラッと見えた検索履歴に、可愛げ出す方法を調べてた彼女が可愛い。
キスしたらとろんととろける瞳が可愛い。
仕事中、イチャイチャしないって決めてるけど
本当は俺に触れてたいって思ってくれてる彼女が可愛い。
何しても、可愛いって思ってしまうんだよ。
「…意味わかんない」
樹「…分からなくていい」
あの人の可愛いところなんて
俺だけが知っていればいい。
決して、誰かを重ねて好きになったわけじゃない。
…俺はあの時、あの瞬間
彼女の笑顔と言葉に救われて、恋に落ちたのだから。
樹「じゃあな」
「……もういい！！」
問答無用で別れを告げる俺に、彼女は不機嫌を隠そうともせず俺を睨みつけた。
涙目で去って行く彼女を、見送ることもしなかった。
…おそらくもう、俺の前には現れないだろう。
少しホッとするけど…Aさんに謝らないと。
次会った時、絶対謝る。
そう決めて、今日は家に帰った。
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彼岸花(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！こだわってる部分皆さんに知って欲しくていろいろ書いてしまいました笑 ドキドキしてくれて凄く嬉しいです！壱馬くんエンドも制作中ですのでぜひまたドキドキして欲しいです！ (10月17日 22時) (
レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 長い間ドキドキをありがとうございます泣まさかハンカチやカクテルにも意味があるとは思ってなかったので今から読み返すことにワクワクしてます！笑毎日の更新に本当に踊らされてる気分でした！！壱馬くんendもあると？そちらも毎日ドキドキで読んでる未来が見えます笑 (10月17日 12時) (レス) @page46 id: 48ea1ba99f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - M aさん» コメントありがとうございます！毎日更新大変でしたが、皆様が毎日楽しみにしてると言ってくれてとてもやり甲斐がありました！樹くんとは綺麗な終わり方だったので、ここで終わろうと思ったのですが、やっぱり壱馬さんの世界線も書きたいと思いました！ぜひお楽しみに！ (10月16日 8時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - はじめまして。完結お疲れ様でした😊 一日の終わりに更新されているのが、毎日嬉しくて楽しみだった作品でした！樹くんとの幸せなお話は終わってしまい寂しいですが、壱馬くんとの世界線も見られるということで、引き続き楽しみにしております😳 (10月16日 8時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - あすかさん» コメントありがとうございます！とても長く感じました笑 季節を皆様とたくさん越しましたね笑 でもとても幸せでした！また壱馬くんEND続きますので、是非読んでくださると嬉しいです！ (10月16日 8時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年9月24日 19時
