＊３１６話 side藤原樹 ページ17
「あれ、樹じゃない？」
廊下を歩いていて突然名前を呼ばれて、足が止まった。
その声の主は、俺の好きなあの人の声じゃない。
ベリーショートの黒髪、黒スキニーにライダースを着たその人は…。
樹「………舞衣子？」
「久しぶりね！樹！！」
樹「……………」
「カッコよくなったね！！」
真っ赤なルージュの塗られた唇が、嬉しそうに弧を描く。
そしてそのまま…俺に思いっきり抱き着いてきた。
一緒に居た北人さんが目を丸くしている。
抱き着いてきた彼女を引き離す。
樹「久しぶり。…でも距離近い」
「あ、ごめんごめん笑 海外で仕事してたからハグが挨拶になってたの」
樹「そう、帰ってたんだ」
「うん！！」
彼女は椿 舞衣子。
彼女とは確か…かなり前…
それこそRAMPAGEの藤原樹として活動し始めて最初ぐらいに、同じ雑誌の撮影で共演したモデル。
そして…。
「ねぇ樹…久しぶりにご飯行かない？…二人っきりで」
…俺が昔、付き合ってた人。
耳元に顔を寄せて呟く彼女の頬は、ほんのり赤くなっている。
樹「…悪いけど無理、俺彼女いるから」
「……………」
ピクリ、彼女の指が反応する。
「………そっか」
樹「うん、じゃあ…」
「彼女さんってどんな人？」
樹「……………」
適当に話を切ってメイクルームに行こうとする俺に、着いてくる彼女。
樹「…仕事は？」
「私は終わったとこ」
樹「…俺はこれからなんだけど」
「それで、どんな子？モデル？女優とか？」
樹「……………」
「うーん、その反応だとどっちでもなさそう」
俺の文句も聞き入れず、それどころか表情を読み取って彼女は一人呟く。
頼みの綱の北人さんは、いつの間にか一人でメイクルームに行ってしまったみたいだし。
このまま着いて来るつもりだろうか。
樹「…いつまで着いてくんの？」
「え？ダメなの？」
樹「…ダメ」
「なんで？」
樹「……………」
「……あ、もしかして、マネージャーとかメイクとか、そういう方？」
ピクリ、反応してしまう俺に、ニヤリと彼女は笑った。
分かりやすい、なんて言って。
「紹介してよ、メンバーさんにも挨拶したいしさ！」
眉を顰めても彼女は全く懲りない。
はぁ、とため息をついてメイクルームの扉を開けた。
Aさんと目が合うけど…一瞬で逸らされてしまった。
まぁ、今仕事中だし。
ちょうど壱馬さんのヘアセットをしているところだった。
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彼岸花(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！こだわってる部分皆さんに知って欲しくていろいろ書いてしまいました笑 ドキドキしてくれて凄く嬉しいです！壱馬くんエンドも制作中ですのでぜひまたドキドキして欲しいです！ (10月17日 22時) (
レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 長い間ドキドキをありがとうございます泣まさかハンカチやカクテルにも意味があるとは思ってなかったので今から読み返すことにワクワクしてます！笑毎日の更新に本当に踊らされてる気分でした！！壱馬くんendもあると？そちらも毎日ドキドキで読んでる未来が見えます笑 (10月17日 12時) (レス) @page46 id: 48ea1ba99f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - M aさん» コメントありがとうございます！毎日更新大変でしたが、皆様が毎日楽しみにしてると言ってくれてとてもやり甲斐がありました！樹くんとは綺麗な終わり方だったので、ここで終わろうと思ったのですが、やっぱり壱馬さんの世界線も書きたいと思いました！ぜひお楽しみに！ (10月16日 8時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - はじめまして。完結お疲れ様でした😊 一日の終わりに更新されているのが、毎日嬉しくて楽しみだった作品でした！樹くんとの幸せなお話は終わってしまい寂しいですが、壱馬くんとの世界線も見られるということで、引き続き楽しみにしております😳 (10月16日 8時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - あすかさん» コメントありがとうございます！とても長く感じました笑 季節を皆様とたくさん越しましたね笑 でもとても幸せでした！また壱馬くんEND続きますので、是非読んでくださると嬉しいです！ (10月16日 8時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年9月24日 19時
