＊２０８話 ページ9
壱「…Aさん、目ちょっと赤くなってる」
「っ…ごめんなさい、さっき泣いちゃったからかも…」
壱「謝らんとって、俺…Aさんの事情、全然知らんかった」
「誰にも言ってないことですから、知らなくて当然ですよ」
壱「………そっか」
彼の手が私の赤くなった目元を撫でてくれる。
彼の視線が…さっきのカメラ越しの壱馬さんを彷彿とさせて、なんだか照れくさい。
壱「……Aさんって」
「…はい？」
壱「……ホンマに、樹と仲悪いん？」
「……え？」
思わず首を傾げてしまった。
なんで今いきなり、藤原樹の名前が出たんだろう？
「そもそも仲悪いというか…」
壱「あ、聞き方悪かったわ」
「…？」
壱「…樹と、どんな関係？」
「………えっ？」
思わずドキリとして固まってしまった。
壱「…さっき、三代目さんたちと会った時」
「…………」
壱「樹が、Aさんの背中を押してるの…見えてた」
「っ……！」
壱「……樹は、知ってたんとちゃうん？Aさんの事情」
「…………」
壱馬さんの言葉に、頭が真っ白になってしまった。
よりによって、一番バレたくない人にバレそうになっている事実に
私の頭は働いてくれない。
「あ、の……」
壱「…………」
「…ち、違います、し、知らないです…」
確かに、濁してあれこれ話した記憶はあるけど
三代目さんと仕事していたことも私は話していないし
…彼らとの蟠りも、彼らに失礼なことしたってことも
何も話していない。
…ただ…。
「…ただ、彼に…私の気持ちを見透かされてただけで…」
メイクをしているとき
三代目さんの名前が出たときからそうだった。
あの人は、何も言ってないのに鏡越しに私の顔色を見ただけで、私の不安を見抜いた。
あの時だって、私の背中を押したのは
私の前に進めない気持ちを見抜いたから。
壱「……そっか」
「っ………」
壱「…ごめん」
バレてる、絶対に。
それだけじゃないって。
私が、嘘つくのが下手くそなせいで。
申し訳ない気持ちが胸に込み上げてくるも
…弱虫な私は、やっぱり彼に、藤原樹との関係を知られたくなくて
それ以上何も言えなかった。
「…あの、でも…嬉しかったです」
壱「？何が？」
「壱馬さんが、RAMPAGEの専属ヘアメイクだって言ってくれて」
戻ってこないかって言ってくれた三代目の皆さんに、堂々とそう言ってくれたから
私は安心してここに居れる。
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彼岸花(プロフ) - あすかさん» コメントありがとうございます！どんな展開になるか想像してくださるとなんか照れくさいです笑 楽しみにしてくださってて嬉しいです、どんな展開になるかお楽しみに！ (8月29日 10時) (
レス) @page48 id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - うわぁ〜これはいっちゃん来るのかな？？壱馬くんかな？？違う展開なのかなぁ、、🤔💭楽しみです〜 (8月29日 1時) (レス) id: 343c46a3b9 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！ちょっとずつですがいろんな関係が動いてます…！この３人のもどかしい感じをもう少し味わっていただけたらと思っています！ぜひ今後も呼んでくださると嬉しいです！ (8月23日 23時) (レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 昨日からもうドキドキが止まらないです〜！！！いったいどうなるの藤原樹！！！壱馬さん…いや壱馬くんんん！！！！って感じです本当毎日ありがとうございます！！ (8月23日 21時) (レス) @page38 id: ff96477080 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - みうらむさん» コメントありがとうございます！樹くんのターンお待たせしました！少しずつですが樹くんと主人公ちゃんとの関係が明かされて行く予定ですので、お楽しみに！ (8月21日 23時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年8月2日 19時
