＊２０６話 ページ7
樹「壱馬さん」
突然入ってきた声にドキリと心臓が跳ねあがった。
び、ビックリした。
今私、完璧に壱馬さんしか見えてなかった。
壱「？」
樹「…ボーカルから先にワンシーン撮るみたいです」
壱「あ、了解。じゃあ先行くな」
樹「はい」
壱「Aさんも、今日はよろしく」
「はい、撮影頑張ってください」
壱「ありがと、行ってきます」
ヒラヒラと手を振って、彼はバタバタと忙しそうに行ってしまった。
そんな彼に手を振り返す。
「……………」
樹「……Aさん、顔真っ赤」
「っうそ！！」
思わず顔を手で抑えてしまった。
樹「…壱馬さんも耳赤くして、機嫌よさそうだったし」
「え…」
樹「じゃ、俺も撮影行くから」
彼はそれだけ言って去ってしまった。
な、なんか…機嫌悪い？
それとも…今は二人きりじゃないから、冷たいの…？
周りはどこを見ても機材やカメラマン、スタッフでいっぱいで
私だって、そのうちの一人。
ほかのスタッフさんと話してるときって…こんなに冷たかったっけ…。
もともと彼だって、みんなの前じゃ私に冷たいのに
なんでそんな不機嫌そうなんだろう…。
「Aちゃーん、こっち来てくれるー？」
「あ、はーい！」
…今はそんなこと考えている場合じゃないんだった。
今日は大事なMV撮影。
のんびりしてる暇なんかない。
モヤッとした気持ちを振り払うように、意識を仕事に切り替えた。
＊
MV撮影は想像よりも大変だった。
それはもう、私が三代目の皆さんのヘアメイクだった時よりも、ある意味大変。
なにより人数が多いから、何度も衣装を変えたりヘアセットを変えたりするのは
そりゃ大変だよなって今更自覚する。
ヘアメイクの仕事より、何度も踊ったりしてる彼らのほうがずっと大変なのは分かってるけど
やっぱり大変なことに変わりはない。
誰一人欠けてはいけないくらい休む暇はなくて
ミスを修正する時間もないからミスも許されない。
そんな大変な世界だって分かって、戻ってきた。
それも分かってる。
…でも。
「…疲れた…」
思わずそう口から零れてしまうくらい疲れてしまった。
撮影前に泣いてしまったのも疲労に拍車をかけていた。
あんなに泣くつもりなかったんだけどなぁ…。
RAMPAGEのみんなにも泣き顔見られちゃったし。
でも…。
「…凄いな…」
初めて、生で彼らが躍っているところを見た。
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彼岸花(プロフ) - あすかさん» コメントありがとうございます！どんな展開になるか想像してくださるとなんか照れくさいです笑 楽しみにしてくださってて嬉しいです、どんな展開になるかお楽しみに！ (8月29日 10時) (
レス) @page48 id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - うわぁ〜これはいっちゃん来るのかな？？壱馬くんかな？？違う展開なのかなぁ、、🤔💭楽しみです〜 (8月29日 1時) (レス) id: 343c46a3b9 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！ちょっとずつですがいろんな関係が動いてます…！この３人のもどかしい感じをもう少し味わっていただけたらと思っています！ぜひ今後も呼んでくださると嬉しいです！ (8月23日 23時) (レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 昨日からもうドキドキが止まらないです〜！！！いったいどうなるの藤原樹！！！壱馬さん…いや壱馬くんんん！！！！って感じです本当毎日ありがとうございます！！ (8月23日 21時) (レス) @page38 id: ff96477080 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - みうらむさん» コメントありがとうございます！樹くんのターンお待たせしました！少しずつですが樹くんと主人公ちゃんとの関係が明かされて行く予定ですので、お楽しみに！ (8月21日 23時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年8月2日 19時
