＊２４９話 side藤原樹 (続編移行) ページ50
そんな彼女の隣に座る。
この人意外と眠り深いよな。
…最初に俺の家に来た時もそうだった。
あの時は酒の力もあったかもしれないけど
俺が何しても起きなかったな。
だからって、こんな誰が来るかも分からない公共の場で、馬鹿みたいに眠るやついる？
無防備すぎでしょ、いくら人が少ない時間帯だからって。
俺が居なかったら…どうなってたか。
樹「……………」
投げ出された彼女の手に、触れてみる。
小さくて、少しだけ冷たい手。
ぎゅっと握ると…少しだけ握り返してくれた。
彼女の顔を見るけど、スヤスヤ気持ちよさそうに眠ってる。
樹「……本当に馬鹿だよな」
…俺も、あなたも。
二人の間にぽっかりと空いた隙間。
その隙間は…全部俺が自分から作ったもの。
あーあ、今度こそ嫌いになったかな、俺のこと。
あんな無理矢理なキス…
俺もさっきの男たちと、なんら変わんねぇじゃん…。
ギュッと…彼女の手を握って目を閉じる。
『大丈夫、自信もって！』
…俺から避けていたのに
なんで……。
あの時と同じこと言うんだよ。
俺のこと…なんで思い出してくれねぇんだよ。
一度会ったことあるって…気付いてるはずだろ。
俺は、ずっと……。
壱「……樹？」
樹「！」
壱馬さんの声がして…パッと彼女の手を離した。
同じく風呂上がりで…肩にタオルをかけた壱馬さんがすぐそばに立っていた。
壱「…なんでここに？」
樹「……この人、こんなところで寝て、さっき知らない男たちに連れ去られそうになってたんで」
壱「マジ！？Aさん無防備すぎるやろ！！」
心の中で同意する。
壱「ありがとう、守ってくれて」
そう言って笑った壱馬さんに、俺は何も言えなかった。
立ち上がって自分の部屋に戻ろうと、再度歩き出す。
壱「…もう帰るん？」
樹「…邪魔する気ないですから」
壱「…ええの？これで」
どうして壱馬さんは、俺にそんなこと言うんだろう。
ずっと俺とAさんの関係を疑ってて
今だって知りたいくせに。
彼女のこと、心から好きなくせに。
樹「……寝ます、おやすみなさい」
壱「……おやすみ」
でも壱馬さんがそんなこと知ったって意味なんかない。
どうせ二人は相思相愛で…
彼女にとって俺は
忘れるくらい、どうでもいい存在なんだから。
＊
続編に移行します！
Lofty Dream ��
３人の関係が変わる章になる予定です！
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彼岸花(プロフ) - あすかさん» コメントありがとうございます！どんな展開になるか想像してくださるとなんか照れくさいです笑 楽しみにしてくださってて嬉しいです、どんな展開になるかお楽しみに！ (8月29日 10時) (
レス) @page48 id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - うわぁ〜これはいっちゃん来るのかな？？壱馬くんかな？？違う展開なのかなぁ、、🤔💭楽しみです〜 (8月29日 1時) (レス) id: 343c46a3b9 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！ちょっとずつですがいろんな関係が動いてます…！この３人のもどかしい感じをもう少し味わっていただけたらと思っています！ぜひ今後も呼んでくださると嬉しいです！ (8月23日 23時) (レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 昨日からもうドキドキが止まらないです〜！！！いったいどうなるの藤原樹！！！壱馬さん…いや壱馬くんんん！！！！って感じです本当毎日ありがとうございます！！ (8月23日 21時) (レス) @page38 id: ff96477080 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - みうらむさん» コメントありがとうございます！樹くんのターンお待たせしました！少しずつですが樹くんと主人公ちゃんとの関係が明かされて行く予定ですので、お楽しみに！ (8月21日 23時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年8月2日 19時
