＊２４８話 side藤原樹 ページ49
「ヤバ！どうする？」
「こんなところで寝てたら風邪ひくよな」
「でも起きるんじゃね？」
髪を拭きながら男湯を出たとき
興奮したような男の声が聞こえてきて、首を傾げた。
男湯と女湯の入り口近くにある、自販機やソファー、テーブルの置いてあるスペースに、数人の男が集まっているのが見えた。
…何してんだろ、あんなところで。
年代的には、自分と同じくらいの男たち。
旅行にでも来たのだろうか。
それとも前乗りしてくるような熱狂的な俺らのファンとか？
…そうは見えないけど。
無視して通り過ぎようと歩き出す。
「わ、めっちゃいい匂いする」
「髪触っても全然起きないし、連れてっちゃう？」
「ヤバくね？でも俺結構タイプだわ」
…うわ、マジで最悪。
こんなわりかしいいホテルで、寝てる女連れ込もうとしてる犯罪スレスレのやつがいるのかよ。
そう思ったら、さっき温泉で上がった気分が下がりそうになった。
男たちはニヤニヤしながらどうしようかと思案していた。
こんなどこの誰に話しかけられるかも分からないような場所で寝るような女がいる？
ヤバいことしてまで連れ込みたいと思う女がどんな人なのかと
ちらりとそっちに視線を向けたとき。
樹「っ…は…？」
あまりにも無防備にスヤスヤ眠る…
Aさんがいた。
…なんでそんなところで寝てんの？
思わず足が立ち止まって、間抜けな声が零れ落ちた。
そんな彼女のお風呂上がりのサラサラの髪やツヤツヤした肌に、無遠慮に触れる男の手。
樹「あの」
声をかけた瞬間、ヤバいと思ったのか、男たちは全員振り向いた。
パッと彼女から手が離れていく。
「あ、いや、こ、これはその…」
「お、俺らこの人が風邪ひかないか心配で…」
樹「……じゃあ、今すぐどっか行ってくれません？」
「は、はあ？」
不機嫌そうに顔を顰める男たち。
今すぐ高嶺の花を抱けると思って…俺に邪魔されたって思ったのかもしれないけど。
多分…俺のほうがもっと機嫌悪い。
樹「…その人、俺の大切な人なんで」
普通に言ったつもりだったけど、思ったより低い声が出てしまったらしい。
「っす、すいませんでした！」
男たちはビクっと震えて、逃げるようにどこかへ行ってしまった。
樹「……何やってんの、マジ」
思わずため息が出る。
あんだけ知らない男に触られて
ちょっとした騒動まであったのに、その中心人物である彼女はのうのうと眠っている。
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彼岸花(プロフ) - あすかさん» コメントありがとうございます！どんな展開になるか想像してくださるとなんか照れくさいです笑 楽しみにしてくださってて嬉しいです、どんな展開になるかお楽しみに！ (8月29日 10時) (
レス) @page48 id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - うわぁ〜これはいっちゃん来るのかな？？壱馬くんかな？？違う展開なのかなぁ、、🤔💭楽しみです〜 (8月29日 1時) (レス) id: 343c46a3b9 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！ちょっとずつですがいろんな関係が動いてます…！この３人のもどかしい感じをもう少し味わっていただけたらと思っています！ぜひ今後も呼んでくださると嬉しいです！ (8月23日 23時) (レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 昨日からもうドキドキが止まらないです〜！！！いったいどうなるの藤原樹！！！壱馬さん…いや壱馬くんんん！！！！って感じです本当毎日ありがとうございます！！ (8月23日 21時) (レス) @page38 id: ff96477080 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - みうらむさん» コメントありがとうございます！樹くんのターンお待たせしました！少しずつですが樹くんと主人公ちゃんとの関係が明かされて行く予定ですので、お楽しみに！ (8月21日 23時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年8月2日 19時
