＊２３７話 ページ38
それから…当然のごとく、私と藤原樹の距離はもっと離れていった。
思い切り殴ってしまったつもりだったけど、彼の頬に痕なんてついてなくて…
それだけは少し安心した。
お互い目も合わせなければ、言葉を交わすこともない。
私のヘアメイクを受けることもないし、挨拶も交わさなくなった。
それでいいのか、と言われたら全くもって良くない。
でももう、気軽に話しかけるなんて出来なくなってしまった。
あの日の夜は…もちろん寝れるわけもなく
一睡もできなくて、翌日目の下にクマを作ってしまったし
思い出しては枕に顔うずめて叫んでいた。
樹「……俺のこと…忘れてるくせに…！」
そう言った彼の言葉を…何度も頭で繰り返していた。
前にも聞いたように…きっと私は…藤原樹とずっと前にどこかで会っているはず。
その記憶を…どこかで落してしまっているらしい。
それをストレートに聞くのは違う気もするし…
そもそももうそんなこと聞ける仲じゃなくなった。
っていうか前にも聞いたけど…濁されちゃったし。
……あのキスのあと…殴っちゃったし…。
私から話しかけるのは…難しい。
壱「あ、Aさん、髪にごみついてる」
「えっ？あ、ありがとうございます、壱馬くん」
彼の手が私の髪に触れて、ついてたごみを払ってくれた。
陣「あれ！？壱馬くん呼びになってるやん！」
目ざとい陣さんに突っ込まれてしまい、少し恥ずかしくなる。
そう。
藤原樹との距離は離れていく一方で
壱馬くんとの距離は近づいた。
って言ってもまだ敬語はなかなか抜けないんだけど。
せめて同じ学年ってことで、壱馬くんって呼ぶことにした。
…あの日のことを思い出す。
「…ごめんなさい、服、涙で汚しちゃって」
壱「あぁ、ええよ笑 さっきから汗だくだったし……ってヤバ、臭くなかった！？」
「ふふっ笑 全然」
壱「うわー、カッコつけたのに汗臭いとか最悪やん！」
「いえ…むしろ頑張ってるのが伝わってきて…素敵だなって思いますよ」
壱「…ほんま？」
「はい」
壱「ふふっ笑 なら良かった」
泣いていた私を元気づけるため…なんて、そんな意図はなかったかもしれないけど。
彼と居ると自然と笑顔になれた。
そこで…登坂さんの言う通り、私は私に好意を向けてくる人に意識を向けようって思った。
そこで一歩進むために、壱馬くん呼びになったのだ。
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彼岸花(プロフ) - あすかさん» コメントありがとうございます！どんな展開になるか想像してくださるとなんか照れくさいです笑 楽しみにしてくださってて嬉しいです、どんな展開になるかお楽しみに！ (8月29日 10時) (
レス) @page48 id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - うわぁ〜これはいっちゃん来るのかな？？壱馬くんかな？？違う展開なのかなぁ、、🤔💭楽しみです〜 (8月29日 1時) (レス) id: 343c46a3b9 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！ちょっとずつですがいろんな関係が動いてます…！この３人のもどかしい感じをもう少し味わっていただけたらと思っています！ぜひ今後も呼んでくださると嬉しいです！ (8月23日 23時) (レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 昨日からもうドキドキが止まらないです〜！！！いったいどうなるの藤原樹！！！壱馬さん…いや壱馬くんんん！！！！って感じです本当毎日ありがとうございます！！ (8月23日 21時) (レス) @page38 id: ff96477080 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - みうらむさん» コメントありがとうございます！樹くんのターンお待たせしました！少しずつですが樹くんと主人公ちゃんとの関係が明かされて行く予定ですので、お楽しみに！ (8月21日 23時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年8月2日 19時
