＊２３４話 ページ35
え、待って……。
樹「ん……」
彼の喉奥から漏れた声に、全身が一気に熱くなって
つま先から頭の先まで熱が駆け上がって行った。
「んっ…んんっ…！！？」
離れたと思ったらまた角度を変えて、何度も唇を重ねてくる彼に
ようやくキスされてるって理解した。
腰に力強い手が回って…頭を押さえられてキスされる。
「はぁっ…ま、待っ…んんっ…！」
抵抗したいのに…逃げ出したいのに、どんどん力が抜けていく。
なんでっ…なんで、こんなことっ…。
私の、ファーストキスが…
こんな形で奪われるなんて…！
ようやく離れたと思った時にはどれくらい経っていたんだろう。
「はぁ…はぁっ……」
呼吸も思考もままならない私をそのまま抱きしめる彼に
もはや何を言えばいいのか分からない。
あの時と、同じ…？
いったい、なんのこと言って…。
「っきゃぁっ…！」
いきなり抱えられて…そのまま机に押し倒された。
ガタガタっと机は揺れる。
足が床につかない。
両手を頭の横に置かれて
ギラギラした視線の彼と目が合う。
「なっ…や、やめっ…んんっ…！！」
手で頬を撫でられて、もう一度キスされる。
初めてのキスはレモンの味、なんてどこかで聞いたことあったけど
そんなの考えてる余裕なんてないくらい、彼のキスに翻弄されていた。
やだ…なんでこんなことするのっ…。
キスってもっともっと甘いものだと思ってた。
好き合った人と付き合って、デートして手を繋いで…
それを繰り返してからキスをして…。
幸せな感情で満たされると思っていた。
それなのに…。
息も出来なくて…どうしてこんなことするか分からなくて…。
胸に何か溜まっていって、ずっと苦しくて…。
幸せとは程遠いような感情に支配されていた。
彼の手が…私の首筋に触れて…そのままどんどん下へ降りていく。
その指先が服を捲ってお腹に触れたとき…。
パチンッ！
彼の頬を叩いた。
…彼が、どんな顔してるか分からない。
視界が、なぜかぼやけていたから。
「っ酷い…なんでこんなことするのっ…」
樹「……………」
なんで、なにも言わないの。
ねぇ、もっと順序が違うでしょ。
私に、言うべきことはないの？
樹「……酷いのは、どっちだよ」
「……え…？」
樹「……俺のこと…忘れてるくせに…！」
…彼の声が、あまりにも切なげに揺れていて
思考が停止した。
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彼岸花(プロフ) - あすかさん» コメントありがとうございます！どんな展開になるか想像してくださるとなんか照れくさいです笑 楽しみにしてくださってて嬉しいです、どんな展開になるかお楽しみに！ (8月29日 10時) (
レス) @page48 id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - うわぁ〜これはいっちゃん来るのかな？？壱馬くんかな？？違う展開なのかなぁ、、🤔💭楽しみです〜 (8月29日 1時) (レス) id: 343c46a3b9 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！ちょっとずつですがいろんな関係が動いてます…！この３人のもどかしい感じをもう少し味わっていただけたらと思っています！ぜひ今後も呼んでくださると嬉しいです！ (8月23日 23時) (レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 昨日からもうドキドキが止まらないです〜！！！いったいどうなるの藤原樹！！！壱馬さん…いや壱馬くんんん！！！！って感じです本当毎日ありがとうございます！！ (8月23日 21時) (レス) @page38 id: ff96477080 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - みうらむさん» コメントありがとうございます！樹くんのターンお待たせしました！少しずつですが樹くんと主人公ちゃんとの関係が明かされて行く予定ですので、お楽しみに！ (8月21日 23時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年8月2日 19時
