＊２２２話 side藤原樹 ページ23
樹「壱馬さんみたいないい男に告白されたら、絶対喜びますよ」
壱「……………」
あの人の一番は、俺じゃなくて壱馬さんだから。
壱馬さんとAさんが知り合いだって知る前から
そう感じていた。
ハンカチの件もそうだし、香水も、ピアスもそう。
俺と居ても、話題は壱馬さんのことだったりするし。
彼女の中の壱馬さんの存在が大きすぎる。
…本当にたまたま会って…そのたび意地悪ばっかりする俺とは大違い。
この前の歓迎会の時だって
Aさんの男性のタイプ、俺には壱馬さんに当てはまってるとしか思えなかった。
あの人は…今は恋愛より信頼関係が大事って言ってたけど…
俺には二人が相思相愛に見える。
だから…。
俺なんかをライバル視しなくても、別に大丈夫。
壱馬さんみたいないい男が彼氏になれば…Aさんだって幸せだろうし。
俺は別に…あの人が幸せなら、それで…。
それで…いいはず。
壱「……そう」
樹「……………」
壱「ありがとう」
そう言って笑った壱馬さんは、ソファーから立ち上がって、衣装のジャケットを羽織っていた。
……本当に、俺に宣戦布告するために来たんだな、と心の中でぼやく。
慎もヘアメイクが終わって、そろそろステージに上がる時間。
メイクルームから慎と一緒に来た彼女は、いつもと何も変わらない。
「あ、壱馬さん、前髪少し整えていいですか？」
壱「ん？もちろん」
壱馬さんが、届きやすいように少しかがんで
そんな壱馬さんの髪に彼女の細い指が触れる。
壱「今日の髪型、Aさんが決めてくれたんやろ？」
「？はい、そうですけど…気に入りませんでした？」
壱「うぅん、その逆。Aさんの好みってこんな感じなんかな〜って、ちょっと浮かれてる」
「っこ、好みじゃっ…前に雑誌で見て…壱馬さんに似合いそうだなって思って…」
壱「ふふ笑 それでも嬉しい、ありがとう」
サッと頬を赤く染めるAさんに
満足そうに微笑む壱馬さん。
まるで二人の世界みたい。
ほかのメンバーと先にスタジオのほうへ行ってしまおうと、楽屋の扉に手をかけた。
「あ、いってらっしゃい、頑張ってね」
そう言ってみんなを見送る彼女の笑顔は
はじめの頃のような営業スマイルなんかじゃなくなっていて…。
もうすぐその笑顔は…壱馬さんのものになるのか、なんて考えてしまった。
それでいい、それでいいはずなのに…。
…曇る胸元を無視して、楽屋から出て行った。
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彼岸花(プロフ) - あすかさん» コメントありがとうございます！どんな展開になるか想像してくださるとなんか照れくさいです笑 楽しみにしてくださってて嬉しいです、どんな展開になるかお楽しみに！ (8月29日 10時) (
レス) @page48 id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - うわぁ〜これはいっちゃん来るのかな？？壱馬くんかな？？違う展開なのかなぁ、、🤔💭楽しみです〜 (8月29日 1時) (レス) id: 343c46a3b9 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！ちょっとずつですがいろんな関係が動いてます…！この３人のもどかしい感じをもう少し味わっていただけたらと思っています！ぜひ今後も呼んでくださると嬉しいです！ (8月23日 23時) (レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 昨日からもうドキドキが止まらないです〜！！！いったいどうなるの藤原樹！！！壱馬さん…いや壱馬くんんん！！！！って感じです本当毎日ありがとうございます！！ (8月23日 21時) (レス) @page38 id: ff96477080 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - みうらむさん» コメントありがとうございます！樹くんのターンお待たせしました！少しずつですが樹くんと主人公ちゃんとの関係が明かされて行く予定ですので、お楽しみに！ (8月21日 23時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年8月2日 19時
