＊２１６話 side川村壱馬 ページ17
…寝るときは二人で居たんだ。
どっちが先に寝たんやろ。
樹？それともAさん？
変な邪推までしてしまって、自分で自分を苦しめるばかり。
不仲なんて言われていた二人が
慣れてるみたいに話してた。
…一番仲良いはずの俺が、敬語なのに。
樹「とりあえず着替えてきます」
それだけ言って樹はメイクルームを出て行った。
「皆さんすいません…こんなプロ意識の低いこと…」
北「大丈夫だよ、Aちゃん仕事の途中から割とフラフラだったから」
「え…気付かれてたんですか？」
北「俺だけじゃなくてみんな気付いてたと思うよ、だからここの片付けお願いされたんだろうし」
「…すいません」
人数が多いこともあって、やっぱりメイクさんの負担も大きい。
特に今日は朝早かったし
メイクさんたちも準備があるから、きっと俺らより入り時間早かっただろうし
いろんなことがあったから、相当疲れてたんだと思う。
さっき話してた時も、ちょっと元気なかったから。
……樹も、気付いてたんかな。
未だにしゅんとした表情の彼女の乱れた髪を指でとかせば
パッと顔を上げた彼女と目が合った。
壱「Aさんは？お仕事、もう終わり？」
「っはい…多分ほかのメイクさんがやってくれました」
壱「…そっか、じゃあ帰ろ」
「は、はい」
壱「一緒に。俺送っていく」
「え、いいですよ、壱馬さんもお疲れですよね…？」
壱「大丈夫、タクシーだし、こんな時間に一人で帰らせるなんてしたくないから」
「あ、ありがとうございます」
壱「…行こ」
彼女の手を握って…そのまま歩き出す。
「お、お疲れ様でした！」
北「…はーい、お疲れ〜」
陸「お疲れ様ー」
浦「お疲れ様です！」
壱「…お疲れさまでした」
慌ただしく挨拶する彼女を引っ張って
今すぐにでも二人きりになりたかった。
…また樹が来る前に。
対抗するみたいにその小さな手を握って
タクシーに乗ってる間だけでも二人の時間が欲しいだなんて
きっと彼女はそんな俺の醜い感情なんて少しも気付いてないんやろうな。
そう思えば思うほど、もどかしい。
…うかうかしてられへんな。
Aさんが俺らのヘアメイクになって…距離が近くなったって喜んでた。
けど…それは俺だけやないもんな。
今じゃ、俺以外のメンバーも下の名前で呼んでたり、タメ口で話してたりするから。
遠回しじゃ…先を越されてしまうかもしれない。
ギュッと拳を握って…一つだけ、ため息をついた。
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彼岸花(プロフ) - あすかさん» コメントありがとうございます！どんな展開になるか想像してくださるとなんか照れくさいです笑 楽しみにしてくださってて嬉しいです、どんな展開になるかお楽しみに！ (8月29日 10時) (
レス) @page48 id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - うわぁ〜これはいっちゃん来るのかな？？壱馬くんかな？？違う展開なのかなぁ、、🤔💭楽しみです〜 (8月29日 1時) (レス) id: 343c46a3b9 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！ちょっとずつですがいろんな関係が動いてます…！この３人のもどかしい感じをもう少し味わっていただけたらと思っています！ぜひ今後も呼んでくださると嬉しいです！ (8月23日 23時) (レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 昨日からもうドキドキが止まらないです〜！！！いったいどうなるの藤原樹！！！壱馬さん…いや壱馬くんんん！！！！って感じです本当毎日ありがとうございます！！ (8月23日 21時) (レス) @page38 id: ff96477080 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - みうらむさん» コメントありがとうございます！樹くんのターンお待たせしました！少しずつですが樹くんと主人公ちゃんとの関係が明かされて行く予定ですので、お楽しみに！ (8月21日 23時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年8月2日 19時
