＊１９６話 ページ47
樹「…俺の顔、見覚えあった？」
「……………」
首を横に振る。
樹「…じゃあ、なんで？」
「………なんと、なく」
樹「……………」
「……勘違いだったら、ごめん」
樹「……本当に…………んだ…」
「………え？」
樹「………うぅん」
帰ろう。
そう言って私の手を引いて、再度歩き出す彼に…着いていくことしかできない。
今、なんて言ったの？
結局、どっちなの？
どうして…違うなら違うって、否定しないの…？
どうして…彼の背中が、寂しそうに見えるんだろう…。
樹「それにしても、Aさんの好みは陸さんか」
「はぁっ！？違うわよ！」
樹「陸さんも満更でもなさそうだったし、北人さんにまで運命の人だなんて言われて、モテモテだね」
「あれは飲み会のノリって言うか…吉野さんだって、ロマンチストなだけでしょ」
樹「…彼氏、できそうじゃん」
「っはぁ？RAMPAGEの誰かってこと？」
樹「うん」
「確かにいっぱい綺麗って言ってくれたけど、お世辞でしょ？みんな私より綺麗な人なんて見慣れてるんだから」
樹「……………」
「それに、私は今信頼を勝ち取ることが大事。恋愛関係のトラブルも面倒だし…あんなことがあったから、恋愛も、しばらくはいいかな」
樹「……そっか、まぁ、そうだよね」
そう言いつつ、この男と手を繋いで歩いている状況は、矛盾してる気もするけど。
樹「…良かったね、Aさん」
そう言った彼の顔をじっと見つめる。
バケハとマスクで全然顔は見えないし
私なんかが、彼の気持ちなんて分かる訳もないけど。
「……ありがとう」
樹「……え…？」
「…今こうして私が幸せなのは…間違いなくあなたのおかげだから」
樹「っ……」
「…さっきも、助けてくれてありがとう」
樹「…………」
「これからも、よろしくね！」
気に入らないところもあるし、改めてこう言うのはちょっと照れくさいけど
心から、あなたが居てくれて良かったって、そう思うの。
恥ずかしいし、絶対からかわれるから、そんなこと言葉にはしないけど。
樹「…それなら良かった」
そう言った彼は…少しだけ目を細めていた。
それが何を意味するかは分からないけど。
きっと悪い感情じゃないと思う。
そのまま最寄り駅まで送ってくれた彼にお礼を言ってお別れした。
明日からの仕事、ちゃんと頑張ろう。
いろんな人に、背中を押してもらっちゃったし。
そう心に決めて、家に帰った。
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彼岸花(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます！大好きだって言ってくださって本当に嬉しいです！私のペースでのんびりやっていきたいと思います！夏休み期間に入ったらまたたくさん投稿したいと思っているのでよろしくお願いします！ (8月2日 19時) (
レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - いつも楽しく拝見してます。本当に大好きな作品です。彼岸花さんのペースで！！これからも応援してます。 (8月2日 1時) (レス) @page50 id: 094c8809cf (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - y0u（よぅ）さん» コメントありがとうございます！テストで更新滞ってしまうの本当に申し訳ないです>< なんとか再試ないように頑張りますので気長にお待ちいただけると幸いです！ (7月25日 18時) (レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
y0u（よぅ）(プロフ) - いつも楽しく読ませて貰ってます！！ テスト、頑張ってください！！笑 (7月25日 14時) (レス) @page42 id: 424b4648f0 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！お久しぶりです、お忙しい中作品を読みに来てくださって嬉しいです！ありがとうございます！これからも自分のペースで頑張っていきたいと思いますので、また読みに来てくださると嬉しいです！ (7月19日 0時) (レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年7月4日 19時
