＊１８２話 ページ33
そして、その一週間後の今日。
私は…美容部員じゃなくなった。
「望月先輩、今までありがとうございました…！！お疲れさまでした…！！」
「まぁ…！いいの？こんな立派な花束…！」
「はい！」
「…ありがとう」
最後の仕事も終わると、今日勤務じゃないはずの後輩たちまで、ロッカールームに集まっていた。
大きな花束を受け取る。
私のために…いろいろしてくれてたんだ。
ぽかぽか、胸が暖かくなるのを感じる。
これが最後なんだって思うと…やっぱり寂しい。
でも門出を祝われている私が泣くのは違うわよね。
ふぅ、と一息ついて…
全員と向き合った。
何から話そうかな、なんて少しだけ考えて…小さく微笑んだ。
「……もう五年以上前…ここで働き始めたとき、この職場に一生を捧げるつもりだったんだ」
「…え？」
「ふふふっ笑 今考えても重いわね笑」
困惑するみんなに、私は笑いかけた。
「…専門学校卒業して…前の職場、三年で辞めちゃって…当時の美容部員の先輩には意気地なしって思われてたかもなぁ…」
「そんな…」
「でもね、見返したかったの。誰よりも綺麗であろうとしたし、誰よりも完璧で居ようと思った。意気地なしだった私から、抜け出したかったから」
「…………」
「子どもみたいよね笑」
私の行動原理は…いつだって、誰かに馬鹿にされたくない一心で。
化粧の技術も接客の技術も磨いて…笑って許される、みたいな自分の甘さも捨てた。
「頑張って…みんなに完璧って思われたかったんだ。…頼れる先輩でありたかった」
「っっ完璧です！！望月先輩はずっと前からっ…私の大好きな先輩です！」
一人、また一人と涙していく。
湿っぽくするつもりなかったけど…
後輩泣かせちゃう、ダメな先輩だけど。
みんなが居たから、私は完璧で居られた。
大好きな自分で居られた。
「みんな…私の完璧な後輩だった…！」
「っ……！！」
「今日までありがとうございました！」
花束を抱きしめて、頭を下げた。
その後に、泣いている後輩を一人一人抱きしめた。
みんな大好きだよ。
みんなが仲違いしてる時期は辛かったし…嫌われてる時期もきつかったけど
大好きだから…嫌いになれなかった。
情けない先輩でごめん。
でも…今日まで私を支えてくれてありがとう。
ロッカールームは泣き声でいっぱいになっちゃったけど…
今日だけは、いいよね。
…これで、最後なんだから。
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彼岸花(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます！大好きだって言ってくださって本当に嬉しいです！私のペースでのんびりやっていきたいと思います！夏休み期間に入ったらまたたくさん投稿したいと思っているのでよろしくお願いします！ (8月2日 19時) (
レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - いつも楽しく拝見してます。本当に大好きな作品です。彼岸花さんのペースで！！これからも応援してます。 (8月2日 1時) (レス) @page50 id: 094c8809cf (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - y0u（よぅ）さん» コメントありがとうございます！テストで更新滞ってしまうの本当に申し訳ないです>< なんとか再試ないように頑張りますので気長にお待ちいただけると幸いです！ (7月25日 18時) (レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
y0u（よぅ）(プロフ) - いつも楽しく読ませて貰ってます！！ テスト、頑張ってください！！笑 (7月25日 14時) (レス) @page42 id: 424b4648f0 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！お久しぶりです、お忙しい中作品を読みに来てくださって嬉しいです！ありがとうございます！これからも自分のペースで頑張っていきたいと思いますので、また読みに来てくださると嬉しいです！ (7月19日 0時) (レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年7月4日 19時
