＊１６９話 ページ20
「…心配しないでください、腫れもだいぶ引いて…来月には消えますから」
壱「…そう、ですか」
「それに私はこうして元気に働けてますから！」
壱「……………」
何とか明るく振る舞って見るも…彼の表情は優れない。
……嫌だな…。
あなたの顔が曇るほど
私の心も曇るから
お願いだから、そんな申し訳なさそうな顔しないで…。
黙ったままの彼に、明るく振る舞うのも限界で…俯いてしまう。
「……もう、来てくれないかと思ってました」
壱「っ…すいません、マネージャーに止められてて…今日は久しぶり取れたオフで…本当は真っ先に…Aさんのもとへ来るつもりだったのに」
当然だよ、止められるに決まってる。
忙しかったんだろうな…。
いろいろ説明とかに引っ張りだこだろうし。
お仕事になにか影響があったら…グループ自体に影響が及ぶだろうし。
本当は…今日だってダメなはず。
でも…どれだけ時間がかかっても…
私は会いに来てくれただけで嬉しい。
「事務所にも、メンバーさんにも…もちろん壱馬様にも、多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」
壱「やめてください…！俺は…Aさんに助けられたのに…」
「っ……」
壱「本当は俺が守るべきやったのに…こんな傷まで残して…」
「だ、大丈夫ですよ！こんなのもうすぐ消えますし痛みもないですから…」
壱「ダメ…それじゃ…あかんねん」
「…壱馬様…？」
壱「…Aさんには…少しだって傷ついて欲しくなかった…」
「……………」
壱「…ホンマに情けない…Aさんを守れなかった」
彼の手が…私の頬に優しく触れる。
まるで壊れ物みたいに優しく触れる彼に、目を閉じた。
もっと早く傷が消えていたら、こんなに彼を苦しめないのに…。
…守れなかったのは、私のほうなのに。
壱馬さん…優しすぎるよ。
壱「っ…慎もAさんのこと心配してます。マネージャーに止められてるけど…来たいって思ってますから」
「……ありがとうございます」
いつ、マネージャーさんの制止が解かれるかは分からない。
分からないけど…。
「……ごめんなさい」
壱「……え…」
「…来月には、私はもうここには立っていません」
壱「っ！！」
「…辞めるんです、このお仕事」
最初からご挨拶するつもりだった。
誰よりお世話になったお客様だから。
誰よりも…大切なお客様だから…。
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彼岸花(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます！大好きだって言ってくださって本当に嬉しいです！私のペースでのんびりやっていきたいと思います！夏休み期間に入ったらまたたくさん投稿したいと思っているのでよろしくお願いします！ (8月2日 19時) (
レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - いつも楽しく拝見してます。本当に大好きな作品です。彼岸花さんのペースで！！これからも応援してます。 (8月2日 1時) (レス) @page50 id: 094c8809cf (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - y0u（よぅ）さん» コメントありがとうございます！テストで更新滞ってしまうの本当に申し訳ないです>< なんとか再試ないように頑張りますので気長にお待ちいただけると幸いです！ (7月25日 18時) (レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
y0u（よぅ）(プロフ) - いつも楽しく読ませて貰ってます！！ テスト、頑張ってください！！笑 (7月25日 14時) (レス) @page42 id: 424b4648f0 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！お久しぶりです、お忙しい中作品を読みに来てくださって嬉しいです！ありがとうございます！これからも自分のペースで頑張っていきたいと思いますので、また読みに来てくださると嬉しいです！ (7月19日 0時) (レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年7月4日 19時
