＊１６５話 ページ16
また…私の居場所を用意してくれるの…？
挨拶もしないで、勝手にいなくなって…
怒ってもいいはずなのに…。
どうして…そんなに私を…気にかけてくれるの…？
H「みんな、待ってるよ」
あまりにも優しいHIROさんの声に、言葉が出ない。
口から出るのは震えた吐息ばかり。
待ってる。
その言葉に、唇を噛んだ。
…居場所を作ってくれるんじゃないんだ…。
私があの場所に居た五年以上前からずっと…。
私が来るのを待ってくれていたんだ…。
帰ってきてほしいって言ってくれたことが、あまりにも嬉しかった。
じわじわと目に溜まる涙を手で拭う。
「……っはい…」
H「！」
「…戻りたいです…」
言葉にしたら、涙がポロっと零れてしまった。
小さいころから、ヘアメイクアップアーティストになりたかった。
母親が化粧している姿が、子どもながらに羨ましいと思ってた。
いつしか、自分が化粧で綺麗になりたいんじゃなくて
誰かが化粧で綺麗になって…笑顔になる瞬間が好きなのだと気づいた。
だから、ヘアメイクアップアーティストになった。
現実は夢みたいにうまくいかなくて…
キラキラしたものじゃなかったし
そんな現実が苦しくて逃げ出したけど
五年前のあの日々は、確実に私の中で輝き続けていた。
H「ありがとう、望月さん」
「っこちらこそ…」
H「じゃあ、また連絡待ってる。何もかも片付けて…準備出来たらおいで」
「はい…」
H「それじゃあおやすみ」
「おやすみなさい…失礼します」
都合のいい夢みたいだ。
スマホの通話履歴を見れば、HIROさんの名前が書いてある。
ヤバい…もう再就職先決まっちゃったよ…。
こんな…私にとって嬉しいことある…？
そうと決まれば…私は…。
今の仕事を辞めることを会社に伝えよう。
でもどっちにしろ、あと一カ月は働かないと。
会社からは止められるかな…。
だって私…割と売り上げに貢献してたし。
…でももう、知らない。
私のことを嫌いだって言った後輩も、小川さんのことも忘れたい。
私のことを慕ってくれていた後輩には申し訳ないけど…。
今後もお友達として接してくれたら、嬉しいな。
悲惨な退職だけど…私からしたらステップアップだと思う。
「……よし」
そうと決まればウジウジしてる暇なんてない。
残りの時間の仕事を頑張ろう。
そう決めて、パンっと手で頬を叩いた。
心が前向きになる。
その日は久しぶりに…心地よくぐっすり眠ることが出来た。
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彼岸花(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます！大好きだって言ってくださって本当に嬉しいです！私のペースでのんびりやっていきたいと思います！夏休み期間に入ったらまたたくさん投稿したいと思っているのでよろしくお願いします！ (8月2日 19時) (
レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - いつも楽しく拝見してます。本当に大好きな作品です。彼岸花さんのペースで！！これからも応援してます。 (8月2日 1時) (レス) @page50 id: 094c8809cf (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - y0u（よぅ）さん» コメントありがとうございます！テストで更新滞ってしまうの本当に申し訳ないです>< なんとか再試ないように頑張りますので気長にお待ちいただけると幸いです！ (7月25日 18時) (レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
y0u（よぅ）(プロフ) - いつも楽しく読ませて貰ってます！！ テスト、頑張ってください！！笑 (7月25日 14時) (レス) @page42 id: 424b4648f0 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！お久しぶりです、お忙しい中作品を読みに来てくださって嬉しいです！ありがとうございます！これからも自分のペースで頑張っていきたいと思いますので、また読みに来てくださると嬉しいです！ (7月19日 0時) (レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年7月4日 19時
