＊１５０話 side川村壱馬 ページ1
「壱馬様！！」
笑顔を浮かべて大きな声で俺の名前を呼ぶ彼女。
店の外にも聞こえそうなその声に、思わず眉を顰めた。
「本日は何かお求めですか？」
ふわふわした髪を揺らして首を傾げる彼女に、思わず一歩下がってしまった。
それでも、一歩詰められてしまう。
土曜日の、人の多い時に大きな声で俺の名前を呼ぶなんて…。
さすがにビックリした。
「壱馬様？」
壱「…すいません、望月さんは居ますか？」
「っ…望月さんは…今別の仕事をしてまして…」
壱「…そうでしたか」
「……あの、私が接客しますよ？何か気になるものがあるなら…」
壱「いえ、大丈夫です」
「っ…あの、私、小川梨莉と申します」
壱「……え」
「以前にも少しお話したのですが…」
照れるように髪の毛を耳にかけて微笑む彼女は
可愛い部類に入る子だった。
でも…
……話したっけ？
俺、Aさん以外の接客を受けたことがないんやけど。
とりあえず、店先でまた名前を呼ばれると面倒だから、中に入ることにした。
商品を見てる横で
彼女はずっと喋り続けていた。
壱馬様、とずっと連呼しながら。
離れようと店の中を歩き回っても後ろをついて回って来て…
強引な接客に、鬱陶しく感じてしまう。
Aさんが来るまで待っていようかと思ったけど…。
ちょっとこれは…。
「これなんてどうですか？壱馬様、お肌綺麗だから…」
壱「…すいません、今日は帰ります」
「…え…？どうして…？」
どうして、と呟いた彼女にどう返事しようか迷うけど
正直めっちゃめんどくさくてイライラする。
強引な接客嫌いやねん。
壱「俺、Aさん以外の接客受ける気ないんで」
「……え……」
壱「Aさんが忙しくて居ないなら帰ります」
「……………」
あの人はいつも完璧だ。
俺がどれだけ顔を隠していても、サングラス越しに目が合っただけで、気付いて笑いかけてくれる。
マスクを外すタッチアップをするときは、ほかのお客さんから見られない席へ案内してくれる。
商品を分かりやすく説明してくれるし、聞いて答えられなかったことは一度もない。
俺の仕事への詮索もしない。
…俺への下心もない。
…俺のアピールに気付かない鈍感なところもあるし
時々心揺さぶるようなことも言うけど
いつだってあの人は、自分のことより俺のことを一番に考えてくれてる。
だから俺はあの人が好き。
あの人以外から、買う気はない。
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彼岸花(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます！大好きだって言ってくださって本当に嬉しいです！私のペースでのんびりやっていきたいと思います！夏休み期間に入ったらまたたくさん投稿したいと思っているのでよろしくお願いします！ (8月2日 19時) (
レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - いつも楽しく拝見してます。本当に大好きな作品です。彼岸花さんのペースで！！これからも応援してます。 (8月2日 1時) (レス) @page50 id: 094c8809cf (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - y0u（よぅ）さん» コメントありがとうございます！テストで更新滞ってしまうの本当に申し訳ないです>< なんとか再試ないように頑張りますので気長にお待ちいただけると幸いです！ (7月25日 18時) (レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
y0u（よぅ）(プロフ) - いつも楽しく読ませて貰ってます！！ テスト、頑張ってください！！笑 (7月25日 14時) (レス) @page42 id: 424b4648f0 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！お久しぶりです、お忙しい中作品を読みに来てくださって嬉しいです！ありがとうございます！これからも自分のペースで頑張っていきたいと思いますので、また読みに来てくださると嬉しいです！ (7月19日 0時) (レス) id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年7月4日 19時
