百八十七通目 side川村壱馬 ページ38
行先は俺の家。
壱「A、着いたよ」
「んぁ…壱馬、くん…」
壱「立てる？」
「ん…」
フラフラしながらもなんとかタクシーを降りた彼女は、俺の手を握って歩き出した。
手からわかる体温の高さ。
夜でもわかる真っ赤な顔。
部屋について彼女が靴を脱いだ瞬間、抱き上げた。
「ひゃっ…壱馬くんっ？」
そのまま寝室に入って、ベッドの上に押し倒すようにして降ろした。
壱「……ほんま、無防備」
その顔を隠す眼鏡を外せば、尚更顔が赤いのが見えた。
「ごめんなさ…酔っちゃって…」
壱「んーん、…でももう会社の飲み会行くの禁止」
「はい……」
壱「……なんで、結婚しないって言ったの」
「…え……？」
壱「…嘘でもいいから俺と結婚したいって言えよ」
それくらい本気の相手がいるって。
彼女の手を握って、指にキスを落とす。
散らばった髪を掬いあげて、そっちにもキスを落とした。
ピクリ、彼女の身体が震える。
「だって、もし壱馬くんのことがバレたら…」
壱「…そうじゃない。俺相手でも…俺相手だからこそ、気持ち隠してないで素直に言って」
「っ……」
壱「…俺と、結婚したい？」
酔ってる彼女に言わせる俺はずるいかもしれない。
酒で赤くなった顔、とろけた瞳。
濡れた唇が震えて…言葉を紡ぐ。
「…したい」
壱「…！」
「…いつか、壱馬くんの隣を…ウエディングドレス着て歩きたい…」
壱「…A…」
「それくらい、好き、なの」
とろけた瞳から涙が一粒、頬に零れた。
そんな彼女をめいいっぱい抱きしめて…キスをした。
ほんのりお酒の味がする唇。
…やっぱり、俺が我慢させてた。
俺を想って、ワガママを言わない彼女の本当の気持ちに、胸が打たれる。
「重たい、よね、ごめん…」
壱「…ううん、俺は…結婚したいと思った人としか、付き合わへんから」
「っ…！」
目を丸くして驚く彼女の頭を優しく撫でる。
猫みたいに目を細める彼女の額にキスを落とした。
壱「…明日、話したいことあるから」
髪を撫でながら頬や額にキスを落としていたら…しばらくして寝息が聞こえてきた。
…年取ると出来なくなること。
島崎さんの言葉に動揺した。
ウエディングドレスだって着たいだろうし…結婚したら、子供のこともある。
俺がどう頑張っても、彼女の歳を超えることはできない。
…俺が幸せにするって、決めた。
壱「…あー、やっぱ会わせたくねぇけど」
仕方ない。
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玲生(プロフ) - もーーさいこうでした！！！ (5月1日 22時) (
レス) @page47 id: 7f34fd14ff (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - ayaさん» コメントありがとうございます！応援ありがとうございます、活力になります！新作もぜひ覗いて見てください！ (2023年4月11日 10時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - コメント失礼します！完結おめでとうございます！この作品が更新される度にドキドキワクワクしてました😆これからもから陰ながら応援しております！新作楽しみです💗 (2023年4月11日 7時) (レス) @page47 id: 44272a33cd (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - みーこさん» コメントありがとうございます！結婚後のお話は考えていませんでしたが前向きに検討したいと思います！新作もぜひ覗いて見てください！ (2023年4月10日 9時) (レス) @page47 id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - 完結おめでとうございます👏毎回、更新を楽しみにしてました。結婚後のお話を書いて欲しいです。新作も楽しみにしております。 (2023年4月10日 6時) (レス) @page47 id: 9ba221d380 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年3月18日 18時
