百八十五通目 ページ36
「アンタの彼氏呼んだから」
「ええぇっ！？」
ヤバい、ここに壱馬くん来るの！？
ちょっと、意識保っておかないと。
「ごめんなさい、私お手洗いに…」
「一緒に行くわ」
桃花ちゃんが私の手を握って連れて行ってくれた。
「アンタもう限界でしょ？」
「うん…桃花ちゃんが連れてきてくれなかったらヤバかった」
「本当、山中も上司も信じられない！もう二度と行かないわ！」
「私も…」
化粧直しする気も起きなくて、少し休憩してトイレから出た。
「遅いよ二人とも」
その声に顔を上げれば…山中さんが立っていた。
信じられない…待ち伏せなんて…。
「うげ…」
「な、何か用でしたか」
「ううん、やっぱり俺が送ろうと思って」
「いえ、もう彼氏くるんで」
「その前にさ、俺Aちゃんに話したいことあるんだよね」
私はないです！！
「…行こ、A」
桃花ちゃんが私の手を引っ張って歩き出す。
逃げるためなんだろうけど、早歩きだからフラフラする。
席に戻って、桃花ちゃんが私のカバンと自分のカバンを取った時。
「いいじゃん、ちょっとくらい、ね？」
気持ち悪い手が、私の腰を撫でた。
「ひっ……」
「そんな声出して…意外と乗り気じゃん」
ニヤニヤ笑った顔にぞっとした。
その時だった。
「あ、痛！？」
山中さんが悲鳴のような声を上げた。
飲み会に参加していた全員が、何事かとこっちを見る。
私の腰を撫でていた手が、別の手に捻りあげられていた。
壱「…俺の彼女に何してんねん」
「か、壱馬くんっ…」
地の底を這うような低い声で、山中さんを睨みつける壱馬くんがいた。
「い、痛たたっ！は、離せっ！」
壱「…もう二度と触んなよ」
低い声で唸るような彼の言葉に、山中さんはコクコク頷いていた。
その姿はまるでオオカミのようだった。
壱「A…顔真っ赤やん」
「ごめん、ちょっと飲みすぎて…」
「え、登坂さんの彼氏！？なんか意外と若い…」
壱「…そうです。酔ったので迎えに来ました。俺らはこれで失礼します」
私の腰を抱いて歩き始める壱馬くん。
私も一言挨拶して、桃花ちゃんと一緒に店を出た。
外には、壱馬くんが乗ってきたであろうタクシーが停まってた。
「はあ…ごめん、壱馬くん…桃花ちゃん…」
気を抜いたら一気に酔いが回ってきた。
フラフラしてたら壱馬くんが抱き留めてくれて…
その腕の中が心地よくて、私はそのまま眠ってしまった。
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彼岸花(プロフ) - 玲生さん» コメントありがとうございます！最高でしたか？そう言っていただけて嬉しいです！またほかの作品も読んでくださると嬉しいです！ (1時間前) (
レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
玲生(プロフ) - もーーさいこうでした！！！ (5月1日 22時) (レス) @page47 id: 7f34fd14ff (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - ayaさん» コメントありがとうございます！応援ありがとうございます、活力になります！新作もぜひ覗いて見てください！ (2023年4月11日 10時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - コメント失礼します！完結おめでとうございます！この作品が更新される度にドキドキワクワクしてました😆これからもから陰ながら応援しております！新作楽しみです💗 (2023年4月11日 7時) (レス) @page47 id: 44272a33cd (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - みーこさん» コメントありがとうございます！結婚後のお話は考えていませんでしたが前向きに検討したいと思います！新作もぜひ覗いて見てください！ (2023年4月10日 9時) (レス) @page47 id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年3月18日 18時
