百七十通目 ページ21
「……無理です」
壱「無理なん？笑」
「心臓もたないよ…」
壱「ふふっ笑…まぁ、今日はもう夜遅いから行かへんけど」
「…うん」
その言葉に少しホッとする。
壱「…誕生日は、朝まで俺の匂いを覚えさせるから」
「っ！」
壱「香水は、捨てといて」
「…はい」
やっぱり、ホッとする暇なんてなかった。
私、ドキドキしすぎて寿命縮んでそう。
誕生日は朝まで…
彼の言葉を何度も頭の中で繰り返しては
顔を真っ赤にしてしまった。
壱「…じゃあ、おやすみ」
「…おやすみなさい」
電話が切れて、ソファーから起き上がった。
もう残り少なくなってた香水瓶のふたを開けて、中身をティッシュに吸わせて捨てる。
瓶は、ごみの日に捨てよう…。
壱馬くんと電話してすっかり酔いが覚めた。
明日の誕生日プレゼント、ちゃんと決めよう。
酒が残らないようにメイクをしっかり落とし、お風呂に入って、ちゃんとスキンケアとマッサージをして、ベッドに入った。
＊
おろしたてのワンピースは、可愛さもエレガントさも兼ね備えた完璧な逸品。
髪の毛はまとめて、メイクも今までの何よりも気合を入れた。
プレゼントを忘れないように気を付けて。
耳元に小さなピアスを着けておく。
鏡のまえで何度もクルクル回る。
よし、変なところはない。
予約したお店は、ホテルの中にある夜景の見える素敵なイタリアンのお店。
変わらず現地集合だけど、彼に会いに行くって感じが強くて、私は意外と嫌いじゃない。
でも今日は、ちょっと緊張してる。
タクシーでホテルまで向かい、中に入ると、すでに壱馬くんが店の前で待ってた。
まだ約束の時間まで１５分くらいあるのに。
相変わらず全身真っ黒だけど、銀色のアクセサリーと…彼の瞳は輝いてた。
私が先に来て待ってるつもりだったんだけど…負けちゃった。
「壱馬くん」
壱「！A…」
声をかければパッと顔を上げて…マスク越しに微笑んだのが分かった。
カッコいいのに、笑った顔は可愛いのはいつも通り。
壱「マジっ…めっちゃ可愛い…」
「か、壱馬くん！ここお店の前だから…！」
近寄って両手を広げて抱き締めようとしてくれた壱馬くんを止める。
嬉しいけど！本当はその腕の中に居たいけど！
お店の中から丸見えだから！
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彼岸花(プロフ) - 玲生さん» コメントありがとうございます！最高でしたか？そう言っていただけて嬉しいです！またほかの作品も読んでくださると嬉しいです！ (3時間前) (
レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
玲生(プロフ) - もーーさいこうでした！！！ (5月1日 22時) (レス) @page47 id: 7f34fd14ff (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - ayaさん» コメントありがとうございます！応援ありがとうございます、活力になります！新作もぜひ覗いて見てください！ (2023年4月11日 10時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - コメント失礼します！完結おめでとうございます！この作品が更新される度にドキドキワクワクしてました😆これからもから陰ながら応援しております！新作楽しみです💗 (2023年4月11日 7時) (レス) @page47 id: 44272a33cd (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - みーこさん» コメントありがとうございます！結婚後のお話は考えていませんでしたが前向きに検討したいと思います！新作もぜひ覗いて見てください！ (2023年4月10日 9時) (レス) @page47 id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年3月18日 18時
