五十五通目 side川村壱馬 ページ6
胸が暖かくなるこの感覚は、何度手紙が来ようと変わらない。
知り合えてよかったって思ってもらえたことが嬉しい。
俺のこと少しずつでも知ろうとしてくれて
俺に自分のことを教えてくれる。
手紙の内容に口元が緩むのが分かった。
北「へぇ〜Aさんって最近まで恋人いたんだ」
……北人の余計な一言にモヤッとする自分がいた。
陸「やっぱり登坂さんの妹さんだからモテるのかな〜」
北「尚更気になる。しかもなんかめちゃくちゃ可愛くない？俺もこんなこと言われたいな〜。
知り合えてよかったです！とかさぁ」
陸「手紙でだけどね。でもなんか本気でそう思ってるって伝わってくるよね〜」
北「やっぱり手紙の効果ってすごいですよね。ファンレターとかも嬉しいですし」
壱「……………」
陸「…壱馬？」
そっか、初めて電話したあのとき、Aさん、恋人と別れたばかりだったんだ。
…あれから一か月くらいは経った気がするけど。
今、好きな人ととかおるんかな…。
北「おーい、壱馬！」
壱「え？」
北「え？じゃないよ。ボーっとしすぎ」
壱「あ、悪い」
北「まぁ、何となく考えてること分かるけどね」
陸「分かりやすくなったよね、壱馬も」
壱「は、はぁ？なんすかそれ？」
陸「あははっ笑 でもいいんじゃない？あの壱馬が女の人と手紙でやり取りしてるなんてね」
北「時々進捗とか聞かせてよ」
陸/北「「応援してる」」
二人の言葉に目を見開いた。
…俺が女性関係を作らないようにしてるのに。
こうして関わりを切れない俺を責めないで、応援するなんて。
…本当に信頼できる仲間だと実感した。
北「壱馬らしくガンガン行っちゃえばいいのにね」
壱「俺らしくってなんだよ」
陸「Aさんの前じゃ、オオカミもワンコになるもんなぁ」
壱「陸さん！？俺のことそんな風に思ってたんですか！？」
確かにファンの前で見せる姿とは違うかもしれないけど。
それはプライベートだからというか。
別に彼女に限った話じゃ…ない、はず。
…らしくもなく彼女のペースに合わせているけど。
別に何かある訳じゃない。
でもなんだかその日は、彼女の元カレのことが気になって仕方なかった。
今誰か好きだったりしたら…
あの人に恋人ができたら…この手紙はどうなる？
…妙な焦りが胸を焦がしていた。
彼女とのやり取りができなくなることに焦っているのか
彼女に男ができることに焦っているのか。
自分でも分からなかった。
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彼岸花(プロフ) - 夜宵-yayoi-さん» コメントありがとうございます！続編もよろしくお願いします！ (2023年2月19日 23時) (
レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
夜宵-yayoi-(プロフ) - 続編楽しみにしてます！ (2023年2月19日 21時) (レス) @page50 id: 213e291fb2 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！続編も見ていただけると嬉しいです！！ (2023年2月19日 21時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 続編楽しみにしてます！ (2023年2月19日 19時) (レス) @page50 id: 1db2654d16 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！幸せになるまでもう少しかかりますので気長にお待ちいただけると幸いです！ (2023年2月17日 21時) (レス) @page46 id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年1月24日 18時
