八十一通目 ページ32
壱「……こんな形やったけど」
「…？」
壱「…会えて、よかった」
「…………」
震えたような彼の声に、私も頷いた。
会いたかった…ずっと。
初めて目と目が合った時…なぜかわかんないけどね。
もしかしたら壱馬さんかもって思ったの。
…そうだったらいいなって、思ったの。
だから…私も会えて嬉しい。
食べた料理の名前も値段も、味すらも覚えていない。
そのあとも隣に座る壱馬さんとずっと話していた。
今まで聞けてなかった年齢とか血液型とか。
そんな初歩的な話。
なんで今まで聞いてこなかったんだろうって思ったくらい
一番最初に知るべき質問をしては二人して笑ってた。
彼は私より三つ年下らしいけど、大人っぽくて全然そう見えない。
「…プレステからここまで来るとは思わなかったなぁ…」
壱「…俺も」
「あ、前にくれた写真って壱馬さんのグループの人たちなの？」
壱「そう、これ写真」
スマホを見せてくれた。
そうそうこの写真。
…この写真には壱馬さんいなかったんだ。
でもそっか、壱馬さんが撮ったんだもんね。
そりゃ写ってるわけもないか。
壱「誰が俺やと思ってた？」
見透かしたように言う壱馬さん。
「…この人」
茶髪の、お人形さんみたいな可愛くてきれいな人を指した。
壱「……へぇ〜…」
…自分から聞いたはずなのになんか不機嫌そう。
壱「北人みたいな男がタイプ？」
「えっ！？なんで！？」
あ、この人北人さんって言うのか…。
だって、会う前は可愛い印象があったから…つい可愛い顔した彼を選んだだけ。
会ってからは結構Sな人だなって感じだけど…。
…魅力的な人に変わりはない。
自分から聞いたのにムスッとしてる彼が、やっぱり可愛く見える。
「…私は、壱馬さんが壱馬さんでよかったって思ってるけど…」
そう言えば、分かりやすくパッと明るくなった。
こういうところは年下だなって思う。
壱「やべっ…話してたらもうこんな時間…」
「わっ、ほんとだ…」
壱「大丈夫？お腹減ってない？」
「うん、おしゃべりしてたからお腹いっぱいになっちゃった」
壱「そんなんで腹いっぱいになるん？」
「んふふ笑 大丈夫だよ」
壱「じゃあ家まで送る」
あ、そうだ、送るって言われてきたのに。
お兄ちゃん帰っちゃったんだった。
「ごめんね、お兄ちゃんが無茶言って」
壱「ん、でも臣さんのおかげで会えたから」
呟くように言った彼の声に、私も頷いた。
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彼岸花(プロフ) - 夜宵-yayoi-さん» コメントありがとうございます！続編もよろしくお願いします！ (2023年2月19日 23時) (
レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
夜宵-yayoi-(プロフ) - 続編楽しみにしてます！ (2023年2月19日 21時) (レス) @page50 id: 213e291fb2 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！続編も見ていただけると嬉しいです！！ (2023年2月19日 21時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 続編楽しみにしてます！ (2023年2月19日 19時) (レス) @page50 id: 1db2654d16 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！幸せになるまでもう少しかかりますので気長にお待ちいただけると幸いです！ (2023年2月17日 21時) (レス) @page46 id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年1月24日 18時
