六十九通目 side川村壱馬 ページ20
北「ねぇ来た？返事」
壱「………」
北「あ、これ来てるやつだ」
壱「…なんでわかんだよ」
北「やっぱり来てた」
北人にAさんのことがバレた日から、よく聞いてくるようになった。
俺が関わっている女の子が気になるのか
Aさん自体が気になるのか。
どちらにせよ気に入らんけど、俺と一緒に手紙を見ようとするのだからタチが悪い。
北「見せて？」
壱「ダーメ」
北「うわ、意地悪〜」
壱「…Aさんは俺宛てに書いてんねん。北人が見てもつまらんやろ」
北「惚気？」
壱「ちゃうわ」
北「もういいよ〜」
飽きたのか、諦めたのか、さっさと離れていった北人は気分屋の猫みたいだ。
俺の周囲から人がいなくなって、全員の視線が俺に向いてない隙に、今朝届いてた手紙を取り出す。
ちょっと踏み込んだ内容の手紙を書いた自覚はある。
便箋を開けて、ドキドキしながら手紙を読んだ。
【壱馬さんへ
壱馬さんは、元カレと比べるのも烏滸がましいくらい、断然いい人ですよ。
あなたのことを何も知らない私が言うのも
説得力ないって思われるかもしれませんけど、すごく素敵な人だってわかります。
壱馬さんとこうして手紙を交わして声を聞くだけで、十分癒されてます。
お電話楽しかったです。
こうして壱馬さんを思って手紙を書くと、声が聞きたくなっちゃいます。
Aより】
緩む口元を手で隠す。
手紙が来るたびにどんどん魅了されていく。
俺を思って手紙を書いてると声が聞きたくなる…なんて言われたら今すぐ電話したくなる。
抜け出せない沼にハマっている感覚がする。
でも抜け出そうとも思わない。
それどころかもっと深みへ行きたいと、そう思ってしまっている。
俺も、Aさんのこと考えると声が聞きたくなる。
会いたくもなる。
でも今彼女は仕事中だろうし。
ついこの前電話したばっかりやん。
ボタン一つで彼女の声が聞けるなんて楽すぎやし…。
あぁ、ほんまに声聞きたくなってきた。
壱「…今日の夜またかけよ」
誘ってきたのはそっちやし。
ええよな？Aさん。
北「あれ、自覚ないんですかね」
陸「にっこにこだな〜」
北「いいなー、見せてくれないかなー」
陸「はいはい、大人しくゲームしような」
北「は〜い」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 782人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彼岸花(プロフ) - 夜宵-yayoi-さん» コメントありがとうございます！続編もよろしくお願いします！ (2023年2月19日 23時) (
レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
夜宵-yayoi-(プロフ) - 続編楽しみにしてます！ (2023年2月19日 21時) (レス) @page50 id: 213e291fb2 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！続編も見ていただけると嬉しいです！！ (2023年2月19日 21時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 続編楽しみにしてます！ (2023年2月19日 19時) (レス) @page50 id: 1db2654d16 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！幸せになるまでもう少しかかりますので気長にお待ちいただけると幸いです！ (2023年2月17日 21時) (レス) @page46 id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年1月24日 18時
