六十四通目 ページ15
「最初に手紙を返してくれた丁寧さとか、私に対する気遣いが本当に素敵だなって思います。
あ、でも行線からはみ出しちゃう字も好きです。男の子って感じで」
壱「…さすがに、照れるんやけど…甘えたAさんの破壊力ヤベェ…」
ぼそりと呟く壱馬さんに、ようやく恥ずかしいことを言ったのだと自覚した。
まだ頭が眠っているらしい。
べ、別に、甘えてるつもりもないんだけどな…。
壱「…Aさんって、なんのお仕事してるんですか？」
「私は広告代理店で働いてますよ」
壱「うわ、なんかかっこいいっすね」
「そうですか？」
壱馬さんにかっこいいって言われると、なんか照れちゃうな…。
壱「……元カレも、同じ会社の人ですか？」
「っ！」
元カレのことを聞かれるとは思っていなかった。
…いや、手紙に恋人と別れたばかりなのを書いていたのは私だけど。
触れてくるにしてもお手紙で触れてくると思ってた…。
でも同じく手紙で私のことを教えるって言った手前、質問を無視することはできない。
「…違いますよ、元カレは行きつけのレストランの店員さんだったんです」
壱「…ふーん」
「それで告白されたんですけど…つい最近別れちゃったんですよね」
壱「なんで？」
「えーっと…同棲してたんだけど…」
壱「っどっ！？…は、い」
「元カレが仕事辞めて、家賃も払わず、家事もせず、浪費がひどくて…」
壱「うわ……」
「それでお兄ちゃんが追い出しました…」
壱「そりゃそうに決まっとるわ！！」
盛大なツッコミが入ってしまって恥ずかしくなる。
うわぁ、私の黒歴史晒してる…つらい…。
「…その時は好きだったんですよ。でも別れ際にお前は金と顔だけって言われて…」
壱「………」
「聞き苦しいですよね、こんな話」
苦笑いするけど…壱馬さんの反応が分からなくて、少し怖い。
恥ずかしいし…もう思い出したくないこと。
今思い出してもちょっと傷つく。
やっぱり私の恋愛遍歴、本当にしょうもない。
今までのことも聞かれたら…引かれちゃうかな…。
私は、壱馬さんの恋愛について聞く勇気はない…。
壱「……そんなんやったら、俺のほうが絶対…」
「…？何か言いました？」
壱「…なんもないです。…そっかじゃあ今は独り身なんや」
「…あんまりズバッと言わないでくださいよ…」
もうアラサーに片足突っ込んでるのに、また彼氏と別れたなんて恥ずかしい…。
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彼岸花(プロフ) - 夜宵-yayoi-さん» コメントありがとうございます！続編もよろしくお願いします！ (2023年2月19日 23時) (
レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
夜宵-yayoi-(プロフ) - 続編楽しみにしてます！ (2023年2月19日 21時) (レス) @page50 id: 213e291fb2 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！続編も見ていただけると嬉しいです！！ (2023年2月19日 21時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 続編楽しみにしてます！ (2023年2月19日 19時) (レス) @page50 id: 1db2654d16 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！幸せになるまでもう少しかかりますので気長にお待ちいただけると幸いです！ (2023年2月17日 21時) (レス) @page46 id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年1月24日 18時
