七十五通目 side川村壱馬 ページ26
【Aさんへ
Aさんにいい人だって言ってもらえたら、自信が付きます。
臣さんよりいい男…ってのはまだまだですけど
俺は勝手に元カレよりもAさんのこと知ってる気持ちでいます。
優しいAさんを傷つけた男なんて忘れてください。
俺の声が好きだというなら、いくらでも……】
北「うわ、ラブレターじゃん」
壱「うわっ、びっくりした…」
楽屋の端っこで誰にも見られないようにして、スマホに手紙の下書きをしていた時。
いきなり後ろから声をかけられて驚いた。
俺としたことが、集中しすぎて気づかなかったらしい。
北人が隣に座ってポッキーを食べてる。
これから雑誌の撮影があって、メイクもしてもらったのに…。
壱「なんだよ北人」
北「それ、原文のままでAさんに送るの？」
壱「そうやけど」
北「…え、それでAさんとまだ付き合ってないの？」
壱「………付き合ってへんけど」
北「うわー、なんか違和感ある」
壱「…別に、俺とAさんはそんな関係じゃ…」
北「本気で言ってんの？」
壱「……なんやねん、のぞき見しといて」
俺とAさんとの関係に文句を言う北人に眉を寄せる。
北「そこまでアピールするなら好きって言っちゃえばいいのに」
…俺の立場を一番に分かってるくせに軽々しく言う。
壱「…これ以上は俺も…彼女も望んでへんから」
北「え、付き合う気ないの？」
壱「…………」
北「…マジ？」
無言を肯定と受けとったのか、北人はデカい目をさらにデカくさせて驚いていた。
北「こんな元カレよりいい男アピールしといて？」
壱「ちょ、マジでやめろ。恥ずかしくなるやろ」
北「Aさんモテそうだし、絶対すぐ彼氏できるよ」
壱「…………」
そんなの、俺が一番分かってる。
前の彼氏がいくらダメな男だったとしても、次もそうとは限らないし。
…今だって、俺以外の男の人と連絡とか取り合ってたりしてるかもしれないし。
うわ……なんかめっちゃ嫌。
北「付き合ってないなら俺もAさんにアピールしようかな〜」
壱「は？」
北「だって、壱馬は彼氏じゃないんでしょ？」
壱「…………」
北「怖っ、そんな睨まないでよ」
壱「…Aさんは芸能人と関わるのを嫌うから」
北「ふーん、壱馬だけ許されてんだ」
壱「…何が言いたいねん」
北「べっつに〜」
ポリポリポッキーを食べながらスマホを弄る北人は、もう興味ないみたいな顔してる。
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彼岸花(プロフ) - 夜宵-yayoi-さん» コメントありがとうございます！続編もよろしくお願いします！ (2023年2月19日 23時) (
レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
夜宵-yayoi-(プロフ) - 続編楽しみにしてます！ (2023年2月19日 21時) (レス) @page50 id: 213e291fb2 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！続編も見ていただけると嬉しいです！！ (2023年2月19日 21時) (レス) id: ea547107ff (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 続編楽しみにしてます！ (2023年2月19日 19時) (レス) @page50 id: 1db2654d16 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 紫雨さん» コメントありがとうございます！幸せになるまでもう少しかかりますので気長にお待ちいただけると幸いです！ (2023年2月17日 21時) (レス) @page46 id: f47c3cd118 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花
| 作成日時：2023年1月24日 18時
