・151 ページ1
・
音を立て、静かに閉まったゲート―――。
すぐそこまで迫っていた毒ガスから
何とか逃げ切れた事に安堵したのも束の間…
身を投げうち、自身を逃してくれた部下や
海賊を思い、涙するタシギ。
それを神妙な面持ちで眺めていた麦わらの一味。
＿＿＿＿＿やがて、
けたたましく鳴り響いていたブザー音も鳴り止んだ。
途端に何かを思い出したかのように
キョロキョロと辺りを見渡し始めたのはウソップだった。
「おい、そういやァ、Aもまだ戻ってねェんじゃねェか…？」
「い、言われてみれば…。姿が見えないわね…」
「時間を稼ぐと言っていたようだけど…。まさかあの毒ガスに飲み込まれたのでは…？」
「……誰だ？Aって」
「そういやゾロはシャボンディ以来、会ってねェのか。トラ男ンとこの女コックだよ」
「なにッ！？Aすわんがまだ戻ってねェだと！？」
「俺らが逃げられるように時間稼ぐっつって、急に毒ガスの方に向かって飛んでったんだ」
「なんと！！あのお方、私達の身代わりになったのですか！？」
「むむ。あの女…」
麦わらの一味と侍が閉じたゲートを見ながら
していた会話は
そばに居たタシギ、G-5の耳にも入っていた。
＿『死にたいんですか！？』
＿『部下も何も…、もうそこまでガスが来てんのに！アンタが死んだら意味ないでしょうが！！』
「……ッ、」
どうしてあの時、あの女、Aは
敵である我々海軍を自分の身を呈してまで……
タシギの膝元で握る拳に力が入ったその時、
『みなさーん、無事ですかー！？』
「「「…ッ！？？？」」」
頭上から聞こえてきた気の抜けた声に
全員が一斉に顔ごと上を見遣る。
「ッ！！」
そこには、ぐったりとしていた海兵を背中に担ぎ
宙に浮くAの姿があった。
「お前ッ！！」
「もう！何してたのよ！！皆アンタの事心配してたんだから！」
「Aすわーん！！無事だったんだねェーい！！」
よっと…、と地に足を着けたAは
駆け寄ってきた麦わらの一味に眉を下げながら
笑顔で対応していた。
『ご心配おかけました』と。
そんなAを、遠目から見ていたタシギは
小さく安堵の溜め息を漏らしていた。
バチッと目が合い、ハッとしたタシギの元へ
Aはスタスタと歩み寄った。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 199人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
?f(プロフ) - すごく面白いです！続き待ってます！！応援してます！！ (1月13日 12時) (
レス) id: 942473c46c (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - ベビーカステラさん、この小説はトラファルガーローオチですか？ (9月5日 12時) (レス) @page19 id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - ベビーカステラさんこの小説はいつ更新ですか？続きが気になります🥺更新の続き頑張って下さい。楽しみにしています。待ってます🥰 (8月7日 14時) (レス) @page12 id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 更新頑張って下さいね。待ってます(*^^*)応援しています。 (7月20日 12時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
ベビーカステラ(プロフ) - プスメラウィッチさん» お返事遅くなりました！！すいません！コメントありがとうございます！頑張ります〜！！ (6月20日 11時) (レス) id: 58c35d3d2b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ベビーカステラ | 作成日時：2023年5月29日 15時
