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その後もローくんとの会話は続いた。


主に私が質問をして
ローくんが答える事が多かったけど。




思えば、昔はローくんは話し掛けても
勉強勉強、で忙しくて
私の事は一切相手にしてくれなかった。

たま〜に話を聞いてくれるくらいで…。

それでも私は何故かめげずにローくんに
しつこく話しかけてたっけ…。





基本表情は変わらないけど
時折浮かべる笑顔や儚げな表情。


どれをとっても柔らかさを感じて
なんだか不思議な気持ちになる。

私の知らないローくんの一面を見ているようで嬉しい。




その根本には彼の恩人の存在が
大きく影響している事も話してくれた。




ローくんもあの状況下から生き延び
家族も友達も何もかも失って今日まで生きてきた。

私と違ったのは
珀鉛病を患ってしまっていた事。

自暴自棄になったローくんは
爆弾を体に巻きつけてある場所に出向き

そこでその恩人の人と出会った。



ローくんの為に涙を流し
ローくんの命を救う為に奔走してくれた人。




その人のお陰で今の自分があるのだと。



出会えた幸せ、懐かしさ、悔しさ、

色んな感情が混ざった表情で話してくれた。





「いずれ俺は、その人の本懐を遂げる」




その為に海賊になって
今日まで生きてきたんだ____。






ローくんの真っ直ぐな眼差しの奥に
彼の強い信念を見た気がして
胸がドキッと音を立てた。






『…なんか、ローくんが少し、羨ましいかも。』

「あ?」

『ちゃんと、生きる理由がある。強い意志があるから。』







私には、生きてる理由が無かった。

両親が生きて欲しいと望み
命懸けで残してくれた命だと言うのに。


ただ寝て起きて
毎日必死に働いての繰り返しだった。


ローくんの話を聞いてると
自分が空っぽな人間のように思えて
少し、情けない。




平等に時間は進み、歳を重ねていた筈なのに
ローくんと私じゃ重みが違う気がして

視線をローくんから自分の膝元に移した。







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ベビーカステラ(プロフ) - あんちょろさん» あんちょろ様!コメントありがとうございます!たった今、パスワード解除しました!これからも読んでもらえると嬉しいです! (2023年4月3日 0時) (レス) id: 6cc3977ac9 (このIDを非表示/違反報告)
あんちょろ(プロフ) - 楽しく読ませていただいています♪次のお話はパスワードついてましたがまだ編集中の未公開ということですか? (2023年4月2日 0時) (レス) @page50 id: 67b3a9cf2e (このIDを非表示/違反報告)
ベビーカステラ(プロフ) - プスメラウィッチさん» 初めまして、コメントありがとうございます!勿論、オチはローさんにする予定です!これからも読んでもらえると嬉しいですっ! (2023年3月24日 9時) (レス) id: 58c35d3d2b (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説はトラファルガーローオチですか?できればトラファルガーローオチでお願い出来ますか?続き頑張ってください。応援してます。 (2023年3月23日 21時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ベビーカステラ | 作成日時:2023年3月16日 13時

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