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翼を。127 ページ11
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「丞の芝居を観たことがあるなら、役が憑依する感じがわかるんじゃない？」
一度役に入り込んだら、普段の生活にもその人物が現れる。丞の場合、周りが止めればやめれるけど。
「オレの場合はもっと強い憑依。カーテンコールが始まるまで、"オレ"としての意識は戻らない」
隣からひゅ、というか細い音が聞こえた。
オレがこうなったのはあの人のせいだ。臣さんに話した、あの軟禁期間。強制され、自分を忘れ、ただあの人の望むままに生きる。
結果、オレはあの人の声かカーテンコールを聞くまで、意識を取り戻すことができなくなった。
「あの人は俺の中に翡翠が残っていることを知ってる。あの人が欲しているのはオレじゃない」
「じゃあ、アイツは……っ！」
そう、あの人が欲しているのは"オレ"じゃない。
「＿＿あの人が求めているのは、"
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作者名：彩崎葉 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ksmkrn12211/
作成日時：2019年12月8日 10時
