つなぐ ページ9
side yuzuriha
最近めっきり寒くなった。
あんなにあったかかったのに、、冬になるのが早すぎる
ため息をつきながらコートを着込んで向かうのは光成との待ち合わせ場所
今日は久しぶりに駅で合流して一緒に事務所へ行くことにした
あまりにも寒くてとりあえず有名コーヒーショップでドリンクを二つ、テイクアウト
いつもの駅前に到着すれば、まだ約束の時間まで少しあるのに
すでに来ていてベンチでスマホをいじってる光成を見つけた
少し悪戯心が沸いてきて、後ろからゆっくり近づいて冷たくなった指先をそっと首筋に当ててみた
「冷た！わ、え、」
「おはよ、光成」
「おはよう、、ねぇA手冷たすぎなんだけど」
「ごめんごめん、末端冷え性だからすぐ指先冷たくなっちゃうんだって」
「手袋とかしてきなね」
「はーい、あ、コーヒー買ってきた！」
手首から提げていた紙袋から光成用のコーヒーを取り出してはい、と手渡した
「お、マジ？ありがと。Aもコーヒー？」
「違うわ！苦くてコーヒー飲めないの知ってるでしょ、ココアだよ」
からかい気味に言われたから抗議の意味を込めてぽすっと腕をぐーで軽く叩くと
はいはい、ごめんね、なんて頭を撫でられた
「はい」
「なに？」
「手、冷たいんでしょ？」
そう言って光成は空いていた方の手をサラッと取って恋人繋ぎをしてくれた
「あったか〜」
「体温高めなのかも」
「指先があったまる、、」
「Aの手、ちっちゃいから包み込めちゃうね」
「光成の手おっきいもんね」
「前YouTubeで測ったとき19cmとかだった」
「え、私16だったんだけど、、3cmも違うの！？」
「それやばいね関節一個分以上違う、笑」
むぎゅむぎゅと握りしめられ、包まれる手がとても暖かくて
冷たい冬も悪くないかも、なんて思えました
「来るとき前でカップルいちゃついてるわ、だるって思ったら檜山とAだった」
「わくさん、それ少年忍者あるある」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 347人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：璃子 | 作成日時：2023年9月13日 17時
