草川くんのカノジョ（仮）

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「…拓弥くんだから」





「拓弥くんだから、いいの」





声が震えてくるし、じわりと視界が滲んでくる。ああ、やっぱり私はすぐに泣いてしまう。けれどこんな私と仲良くなってくれて、隣を歩いてくれて。それはみんなだから、拓弥くんだから楽しいんだ。






「隣を歩くのも、触れるのも、拓弥くんだからいいの……拓弥くんじゃなきゃ嫌なの、拓弥くんしか、駄目…」





ぼろぼろと涙が溢れる。私は拓弥くんに泣かされてばっかりだ。けど、この涙の意味は前とは確実に違うもので。








拓「……ほら、メソメソすんな」





カーテンが揺れて、俯いていた顔を上げるといつもの少しぶっきらぼうな拓弥くん。でも、その表情はとても優しくて。






拓「…なあ、俺もいい？」

「……なに？」

拓「Aの泣いた顔見ていいのは、俺だけ」







拓「泣くのは、俺の前だけにして」





拓「そしたらいつだって守るし、慰めるし、泣き止むまでずっといてやるから」






「……うん。わかった」





そう言うと拓弥くんはまた笑って、ゆっくり私の右手を取った。この細くて綺麗な手に触れたことは、数える程しかないけど。次は…なんて、考えるのはやめた。拓弥くんに好きな子がいてもいい。あと少しだけ、この時間を続けさせてください。これが終わったら、私はもう諦めるから。そうぼんやりと思いながら、赤くなった拓弥くんの手の甲にそっと触れた。





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○○近日、新作公開します。



…需要ありますか？



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